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高校入試 出願後に発表される倍率とは?志願変更時の注意点も確認!

公立高校入試では、出願が締め切られると、都道府県の教育委員会より倍率が発表され、新聞などにも掲載されますが、近年はほとんどの都道府県がWebサイトで志願状況を発表しています。高校入試における倍率はどのようなもので、どう見ればいいのかを解説します。

倍率は難易度ではない

公立高校の出願後に発表されるのは、志願倍率です。志願倍率とは、志願者数を募集人員で割ったもの、募集人員に対して、どれぐらいの受験生が志願しているかを表すものです。志願者数が多いほど倍率は高くなりますが、倍率が高いからといって難易度が高いとは限りません。

例えば、偏差値50のA高校で、100人の募集人員に対し、150人の志願者がいた場合、倍率は1.50倍となり、50人が不合格になります。

一方、偏差値55のB高校で、100人の募集人員に対し、105人の志願者がいた場合、倍率は1.05倍となり、5人が不合格になります。
倍率が高いA高校から、倍率の低いB高校に志願変更しても、募集人員内に入れる学力がないと合格はできないのです。

倍率は、混雑具合を表す目安で、難易度を表すものではありません。
志望者の中で、だいたいどのあたりの位置にいて、どのぐらい合格の可能性があるのかは、模試の成績などを活用して判断しましょう。

単年度ではなく3年分の倍率を見て判断する

出願の際に、前年度の倍率を参考にする場合も多いと思いますが、倍率は、単年度ではなく、複数年度見ておくことが大事です。

「揺り戻し」または「隔年現象」と言って、前年度倍率が低かった高校・学科には翌年は志願者が集中し、逆に前年度倍率が高かった高校・学科は、翌年は敬遠されて志願者が減ることもあります。そのため、倍率は3年分程度を見て判断してください。

志願変更をする際の注意点

都道府県によっては、最初の志願倍率が発表されてから、1度だけ志願先の変更ができる場合があります。
その場合、学力レベルが近い高校で、より倍率の低い高校に変更しようという動きが発生します。しかし、同じことを考えている受験生も多いので、変更後の高校のほうが倍率が高くなってしまうこともあります。
倍率が高い低いということに惑わされずに、冷静に判断して志望校を選択しましょう。

入試制度の変更や募集人員の増減は要注意

また、入試制度に変更があった都道府県や、募集人員の増減があった高校・学科は要注意です。
受験生の動きが前年度までとは異なる場合もあるので、事前の進路希望調査や模試での志望者数なども参考にして志望校を決めましょう。結果的に志願した高校・学科の人気が上昇しても、慌てずに、その時点からやれることをしっかりやりましょう。

志願倍率が出た時点では、まだまだ試験までの日数はあります。倍率が少々高めで不安になっても、当日の得点次第で十分に合格がねらえる場合もあります。逆に、いくら倍率が低くても、油断やミスをすれば不合格につながります。

倍率はあくまでも目安として一喜一憂せず、志望校の合格に向けて、本番での得点力をUPさせましょう。

進研ゼミ<高校入試情報サイト>では、過去3年分の高校・学科ごとの倍率を調べることができます。

この記事を書いた人

高校入試情報担当

進研ゼミ『中学講座』

高校入試を取り巻くさまざまな情報、役立つ情報を「プロの視点」から発信していきます。

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