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高校入試における内申点の仕組みと検定試験の扱い

「内申点」は、高校入試の合否に影響する大切なものです。しかし、どう評定がつけられるのか、入試でどう使われるのかは「よくわからない」という場合も多いのではないでしょうか。昔と今と、都道府県によっても違いがあります。今回の記事で内申点と入試での使われ方についてご紹介します。

高校入試における内申点の仕組みと検定試験の扱い

内申点とは?調査書とは?観点別評価って何?

「内申点」とは?

「内申点」とは、調査書に書かれた各教科の「評定」(通知表に1~5で記される成績)を使って計算されますが、算出方法は各都道府県によって異なります。
なお、9教科の成績を単純に足し合わせた数値(オール5なら45点)を素内申、各都道府県の算出方法に従って出した数値を換算内申などと呼んで区別することもあります。

「調査書」とは?

生徒の学習や学校生活について中学校の先生が記載し、入試の際に高校に提出する文書のことです。「内申書」とも呼ばれ、入試の選考資料として使われます。調査書(内申書)の内容のうち、教科の成績を点数化したものが「内申点」と呼ばれます。

「観点別評価」とは?

「観点別学習状況」とも呼ばれるもので、「思考・判断・表現」などの観点別の評価が、ABCの3段階で書かれているものです。この観点別評価を踏まえて、「評定」がつけられます。
「評定」を上げるためには、「観点別評価」を確認することが大切です。お子さまの通知表を確認するときは、どの観点が評価されている(評価されていない)のかを必ず確認しましょう。
新学習指導要領の改訂に伴い、「観点別評価」も2020年度までの「関心・意欲・態度」、「思考・判断・表現」、「技能」、「知識・理解」の4観点から、「知識・技能」、「思考・判断・表現」、「主体的に学習に取り組む態度」の3観点に整理され、2021年度から3観点を元にした評価が行われています。
新しい観点での評価となりますが、「定期テストの点数」、「教科ごとの提出物」、「授業への取り組み姿勢」など評価の方法はこれまでと変わりません。

高校入試に内申点は重要?その関連性は?

高校入試における内申点の扱いや重要性についてお子さまと話し合われたことはあるでしょうか。高校受験では、受験学年である中学3年生から勉強すればよい、と考えている中学生や保護者の方も多くいらっしゃいます。

都道府県によっては中学1年生の成績から内申点になる

例えば宮城県や千葉県では、中学1年生の成績も内申点に含まれます。ですから中学1年生、2年生であったとしても、手を抜いてはいけません。
なお、各都道府県で内申点の扱いは異なります。詳細は 「47都道府県別 入試情報」で確認をしておくようにしましょう。受験は情報戦ですから、日常から情報を自分で仕入れていく意識を持ちましょう。

内申点の評価・計算方法や内申点を上げるために必要なことは?

では具体的な内申点の評価・計算方法についてご存知でしょうか。一例として、東京都の算出方法(換算内申)を紹介します。

東京都の場合は3年のみの評定(成績)を使い、5教科は1倍(そのまま)、実技4教科は2倍して合計します。
たとえば評定がオール5だった場合、
5×5教科+5×4教科×2=25+40=65
この65点が満点となります。
ですので東京都の中学3年生が効率よく合格の可能性を高めたいのであれば、実技教科の学習を粗雑にしてはいけないのは言うまでもありません。

ただし、都立高校入試の一般選抜(学力検査に基づく選抜)では当然5教科の学力検査が課されますから、5教科の定期テスト対策はとても大切です。

内申書(調査書)に記載される検定・部活は?加点されるって本当?

内申書(調査書)に記載される検定は?

代表的なものとして英語検定や漢字検定があります。中学生が取得する検定級の目安は3級以上で、高校受験の内申書で加点となるのも3級以上が多いです(実際には各高校の採用基準に依ります)。
3級は中学校卒業レベルの試験内容なので、中学1、2年のうちにはいきなり3級に挑戦するよりも、まずは場馴れする意味でも4級からスタートするほうがよいでしょう。段階的に受験していくことで、自信をもって入試へと向かうことができます。

部活動が内申点を上げる?

こういった話もよく質問に上がりますが、よほど顕著な成績を修めていない限り加点は難しいのが実情です。
内申書に書かれるから、という理由で部活動をやるのは本末転倒ですが、部活動で培った集中力を活かして受験でも合格をするというのはよくあることです。

【まとめ】内申点が低い・足りないと思ったら

いかがでしたか。内申点の換算方法は、各都道府県で違います。そのため「47都道府県別 入試情報」でお住まいの都道府県について調べてみましょう。

検定は、3級以上が内申書に加点されることが多いです。特に漢字検定、英語検定についてはもし興味があるなら、ぜひ中学1,2年生の頃から挑戦しましょう。
まだ受験生ではないからといって、定期テストの勉強を疎かにせず、むしろ早い段階で受験勉強を開始していくことが後の結果を左右することになるという気概でいてください。
検定試験はそういった姿勢を身につけるのにも非常に有効です。

この記事を書いた人

高校入試情報担当

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進研ゼミ『中学講座』

高校入試に関する情報をわかりやすく解説します。志望校に合格できるよう、受験生と保護者に役立つ情報を提供していきます。

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