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【愛知県】2025年度(令和7年度)公立高校入学者選抜結果はどうなった?
2025年度(令和7年度)の愛知県公立高校入試結果について解説します。
※基本的に全日制高校の情報です。

公立高校入試では特色選抜の志願者が増加
2024年の12月に実施された中学3年生への進路希望調査では、全日制公立高校への希望者が減っていましたが、実際の2025年度(令和7年度)公立高校入試ではどうだったのでしょうか。
推薦選抜と2023年度(令和5年度)入試から導入された特色選抜の出願者数は増えており、公立入試でも早い時期に合格が決まる入試に生徒が集まってきています。
2月上旬に合格が決まる特色選抜は増加傾向
2023年度(令和5年度)から、公立高校推薦選抜の合格発表が2月上旬に約1か月早まりました。そのため「早期合格が可能ならば、公立高校へ志願したい」と考えた生徒が2024年度入試で推薦選抜・特色選抜に出願し大きく出願者数が増えましたが、2025年度もさらに希望者が増えた状況です。志願者数の推移を見ると、公立高校の推薦選抜・特色選抜の志願者は2024年度に合計674名増加し、2025年度はさらに85名増加しました。特に2025年度は、特色選抜の志望者が1,817名と昨年より160名増加したことが特徴です。
推薦選抜への出願には中学校長の推薦が必要ですが、特色選抜の出願は不要なため、特に、専門学科で学習したいという強い意欲を有する生徒の出願が増えています。

普通科では推薦選抜も狭き門
2025年度普通科における推薦選抜志願者数は6,591人で2024年度の6,609人より18名減とほぼ志願者数は変わりませんでした。普通科においては、募集人員の10~15%が推薦選抜の募集枠となっています。そのため、志願者数の多い学校では志望者に対する合格率が30%前後となることもあります。
愛知県の公立高校入試においては、2月上旬に推薦選抜、特色選抜等が実施され、2月下旬に一般選抜が実施されます。推薦選抜・特色選抜に志願し、不合格だった場合には、一般選抜に出願できます。強く進学を希望する第一志望校の場合には、一般選抜だけではなく、推薦選抜・特色選抜への出願をすることで受験チャンスは増えます。ただ、高校・学科によっては、志願者が多く不合格者が多く出る選抜でもあります。そのため、あらかじめ一般選抜に向けて学力・内申点を確保しておくとともに、推薦選抜・特色選抜が不合格だったとしても一般選抜への気持ちの切り替えができることが大切です。
一般選抜の全体の最終倍率低下
愛知県では、公立高校の一般選抜において、第2志望まで2校に出願できます。公立高校一般選抜に出願する志願者の78.9%が2校に出願したので、一般選抜の志願者総数は、「延べ」で考えると、志願者実数の1.8倍近くなります。
2025年度の一般選抜は、募集人員30,781人(2024年度より636人減)に対して、志願者総数は56,928人(2024年度より2,079人減)。募集人員の減少以上に志願者総数が減ったため、志願変更後の最終倍率*は1.85倍と2024年度より0.03ポイント低下しました。
*最終倍率は志願者総数/募集人員で算出しています。

一般選抜で専門学科は高倍率になりやすい
一般選抜の倍率が高くなりやすいのは専門学科です。募集人員が少ない上に、推薦選抜や特色選抜等の合格者も多く、一般選抜の募集人員が少なくなりがちです。全体の募集人員と比較して一般選抜の募集人員枠が特に少ない学校TOP10を表にしてみました。もともと募集人員の少ない学校だけではなく、豊田工科高校や名古屋商業高校のように募集人員が200名を超える学校でも、一般選抜の募集人員枠は40%を切っており、狭き門となっています。
高校名 | 学科名 | 募集人員 | 一般選抜等募集人員 | 一般選抜等 募集人員割合 |
一般選抜最終志願倍率 |
---|---|---|---|---|---|
新城有教館高校 | 総合学科(専門系) | 120 | 33 | 27.5% | 1.09 |
豊橋南高校 | 生活デザイン科 | 40 | 11 | 27.5% | 3.91 |
三好高校 | スポーツ科学科 | 120 | 38 | 31.7% | 1.92 |
御津あおば高校 | 普通科 | 120 | 41 | 34.2% | 2.93 |
渥美農業高校 | 農業科・施設園芸科 | 80 | 31 | 38.8% | 1.13 |
豊田工科高校 | IT工学・機械・自動車・電子工学科 | 240 | 93 | 38.8% | 2.29 |
名古屋商業高校 | オフィスビジネス科・グローバルビジネス科・ITビジネス科 | 280 | 110 | 39.3% | 2.77 |
新城有教館高校 | 総合学科(文理系) | 120 | 48 | 40.0% | 1.23 |
碧南高校 | 総合ビジネス科 | 80 | 32 | 40.0% | 2.38 |
三谷水産高校 | 海洋資源科 | 40 | 16 | 40.0% | 2.06 |
普通科は、組み合わせのしやすい高校が高倍率に
普通科の場合は、多くの学校・学科で募集人員の80%以上が一般選抜の募集枠として残っています。普通科の最終倍率が高かった高校は以下の通りです。
2025年度入試において、普通科で最終倍率が高かったのは、尾張第1群の熱田高校、中村高校、天白高校、尾張第2群の瑞陵高校、三河群の豊丘高校、御津あおば高校などでした。
愛知県の公立高校に出願する際には第2志望まで選択できるため高倍率になりがちです。選択の仕方にはルールがあります。
住んでいる地域によってまず学区(尾張、三河)が決まります。尾張学区の生徒が普通科を受験する場合には、尾張学区の中の第1群、第2群のどちらかを選択します。群を選択したら、それぞれの群の中にあるAグループ、Bグループの高校から各1校ずつを選択し、最大2校を組み合わせて*志願することになります。専門学科・総合学科は全県1学区となっており、居住地にかかわらず、Aグループから1校、Bグループから1校ずつ選択し、出願することになります。このようにすべての高校で第1志願の生徒、第2志願の生徒が混在しており、志願者の数は志願者総数で表されています。
A、Bグループから1校ずつ組み合わせて出願する際に、高倍率になりやすい組み合わせも存在します。例えば、尾張学区の第1群では、熱田高校(Aグループ)と天白高校(Bグループ)の組み合わせや、熱田高校(Aグループ)と名古屋西高校(Bグループ)などの組み合わせです。
最終倍率は第1志願者、第2志願者が含まれた志願者総数で算出されているため倍率は高くなりがちです。ただし、すべての志願者が選抜対象となるわけではなく、第1志願校に不合格の場合に、第2志願校の選抜対象となりますので、高倍率だからというだけで志望校をあきらめず、行きたい高校を志望校にしていきましょう。
*尾張学区の普通科の中には第1群、第2群のどちらからでも選択できる共通校も存在します。詳細は愛知県公立高等学校入学者選抜実施要項で確認できます。
2校出願できるとはいっても、入試において第1志願者が第2志願者よりも有利に扱われることはありません。総合得点の高い順に合否が決まります。一般選抜に向けて、今からできる対策を進めることが大切です。
一般選抜の志願状況について、詳しくは別の記事でまとめています。
納得のいく志望校を選び、合格できるだけの力をつけることが大切
愛知県公立高校入試においては、出願後に志願変更が1回可能です。2024年度入試からWeb出願システムが導入され志願変更手続きがしやすくなったとはいえ、例年志願変更はほとんど行われていません。
愛知県公立高校入試では2校へ出願できますが、学科・群によって組み合わせられる高校・学科に制限があるため、出願までに納得のいく志望校を考えておく必要があります。近年では、推薦選抜・特色選抜に加え一般選抜の受験校確認も12月中までの三者面談で確認されるなど、受験校決定が早まっています。どの高校・学科であれば組み合わせできるのか、本当にその組み合わせでよいのか、三者面談直前に慌てることがないように早めに考えておきましょう。
また、一般選抜で提出する調査書情報(内申書)に記入される内申点は中学3年生の評定のみが対象とはいえ、中3になってから評定を上げるのは難しいものです。中1、中2のうちから、ふだんの学習内容を理解し、内申点を確保しておくことが大切です。今からできる対策を進めて、第一志望校合格をめざしましょう。
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愛知県の私立高校なども含めた高校入試全体像に関してはこちらで詳しく解説しています。詳細は
【愛知県】2025年度(令和7年度)高校入試全体概況について
をご確認ください。