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【東京都】2025年度(令和7年度)都立高校入試はどうだった?
2025年3月3日、28,188人が、都立高校(全日制)一般選抜(学力検査に基づく選抜)で合格を勝ち取りました。受検者数35,877人に対し、7,689人が合格を逃すという、厳しい入試でした。
しかし、以前に比べると都立高校志願者は減少し、全体の倍率も下降傾向と言われています。
2025年度(令和7年度)の都立高校入試はどうだったのでしょうか。解説していきます。
2025年度の全日制都立高校志望予定者は58.72%と2024年度から大幅に下落
12月時点での都内の公立中学3年生の進学志望予定先を聞いた調査(「都立高校全日制等志望予定(第1志望)調査結果)によると、卒業予定者に対する全日制都立高校志望予定者は2022年度から2024年度で63.90%→63.54%→63.29%と年々わずかに下降していました。さらに2025年度は58.72%で2024年度から4.57%減と大きく下落しています。
一方、卒業予定者に対する全日制国私立高校等の志望予定者は、2022年度から2024年度で25.85%→25.21%→24.64%とこちらもわずかに下降していましたが、2025年度は28.96%で4.32%増と大幅に上昇しました。
都立高校志望から私立高校などの志望へ大きく受験生が流れた要因の1つに、2024年度から東京都が実施している『私立高等学校等授業料軽減助成金事業』が考えられます。この制度では、所得制限なく私立高等学校等の授業料が都内私立高校の平均授業料相当の490,000円(2025年度時点)まで支援され、以前よりも金銭的負担が少なく私立高校に通えるようになりました。
また、割合はまだそれほど大きくはありませんが、通信制高校への志望予定者も2022年度から2025年度で3.69%→4.20%→4.86%→5.13%と着実に増加してきています。
より自分が望む将来につながる高校や希望する高校生活が送れる高校へ、幅広く志望校検討がされてきていると言えます。
2025年度都立高校入試:自校作成問題実施校で最終応募人員は2024年度よりも増加
12月時点では全日制都立高校の志望予定者が大きく下落していましたが、実際の都立高校入試ではどうだったのでしょうか。
以下の表は自校作成問題実施校の2024年度・2025年度の一般選抜最終応募倍率と応募人員数です。個々の高校・学科を見ると2024年度から応募倍率や人員数が増えているところ、下がっているところとありますが、全体の倍率で見てみると、2024年度は1.73倍、2025年度は1.74倍と微増、合計人員数で見てみると、2024年度は4,363人だった応募人員数が2025年度は4,382人と19人の増となっています。
一般選抜の全日制高校全体の最終応募倍率は2024年度→2025年度で、1.38倍→1.29倍、最終応募人員数は42,017人→38,718人と倍率、人数ともに大きく下がりました。そのような中で、自校作成問題実施校について言えば、2024年度に比べて応募倍率、応募人員数は下がっていないということができます。
| 高校名 | 学科名 | 2025年度最終応募倍率 | 2024年度最終応募倍率 | 2025年度最終応募人員数 | 2024年度最終応募人員数 |
|---|---|---|---|---|---|
| 立川高校 | 創造理数科 | 4.51 | 2.71 | 158 | 92 |
| 戸山高校 | 普通科 | 2.09 | 1.98 | 526 | 499 |
| 日比谷高校 | 普通科 | 2.00 | 1.81 | 507 | 459 |
| 青山高校 | 普通科 | 1.96 | 2.07 | 433 | 458 |
| 新宿高校 | 普通科(単位制) | 1.94 | 2.42 | 551 | 686 |
| 国分寺高校 | 普通科(単位制) | 1.67 | 1.45 | 421 | 365 |
| 西高校 | 普通科 | 1.62 | 1.70 | 407 | 428 |
| 国立高校 | 普通科 | 1.53 | 1.56 | 386 | 393 |
| 八王子東高校 | 普通科 | 1.52 | 1.36 | 382 | 342 |
| 立川高校 | 普通科 | 1.51 | 1.45 | 333 | 318 |
| 墨田川高校 | 普通科(単位制) | 1.10 | 1.28 | 278 | 323 |
| 全体倍率/人員数合計 | 1.74 | 1.73 | 4382 | 4363 | |
2025年度都立高校入試:難関校以外の高校は最終応募人員数が大きく減少
では、どのような高校で応募人員数が減っているのでしょうか。
次に、進研ゼミ偏差値帯ごとに2024年度と比べてどのくらい最終応募人員数が増えたのか、減ったのかについて見てみます。
2024年度から2025年度の普通科の高校で、進研ゼミ偏差値帯ごとに一般選抜の最終応募人員数が増加した高校と減少した高校の比率を見ていくと、偏差値帯60以上は半分以上の高校が2024年度よりも増加していますが、それ以外ではすべてで減少した高校の方が多くなっています。
志望校選択は早めに動き、幅広い高校から選択を
東京都の『私立高等学校等授業料軽減助成金事業』などの制度が整い、経済的な負担が以前よりも少なくなっている中で、都立高校、国私立高校、定時制・通信制高校など、今までよりも幅広い志望校選択がされてきています。また、東京都は全国で最も都立高校・私立高校の数が多く、交通網も発達していることから、より広いエリアで多くの高校の中から志望校を選ぶことができます。
都立高校・私立高校などにかかわらず、早い時期から興味のある高校について高校見学に行ったり、調べたりして、自分に合う高校をしっかりと選んでいきましょう。
都立高校は希望者が以前に比べると減ったといっても不合格者が多く出る入試であることは変わりはなく、特に自校作成問題をはじめとした難関校を志望する場合は、以前以上に厳しい入試となる傾向にあります。入試当日にしっかりと得点できる実戦力を身につけることが大切なのは言うまでもないですが、それと同時に、内申点をしっかりと確保することも重要です。中3は当然ですが、中1・2のうちからしっかりと内申点対策をしていきましょう。


