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【京都府】私立高校の学費と私立高校授業料の実質無償化
私立高校の授業料などの学費は年間でいくらぐらいかかるのか、また、国の就学支援金の内容や府独自の補助金など、保護者が気になる学費について解説します。公立高校が第一志望で私立高校を併願する方も必見です。2025年5月27日現在の情報をもとに全日制高校の情報をお届けします。

年収590万円未満の世帯で私立高校授業料は実質無償化!
2025年度からは、就学支援金制度に関する所得制限が撤廃されました。これにより、国公立・私立を問わず、すべての生徒に一律で年間11万8,800円までが支給されることになりました。
また、2020年度より、年収目安が590万円未満の家庭を対象とした私立高校に通う高校生に対する、国の就学支援金の上限が最大39万6,000円と設定されています。つまり、通学する私立高校の授業料が39万6,000円以下であれば「実質無償化」となっています。
これらの制度により、学費の面だけで私立高校に進学できなかった受験生の選択肢が広がり、私立高校がより身近になりました。
※「590万円未満」は目安です。家族の人数や年齢、保護者が共働きかどうかなどで金額が変わり、590万円を上回る場合でも適用されることがあります。
さらに京都府では府独自の上乗せで910万円未満世帯まで補助
京都府では、世帯(保護者、生徒ともに)の住所が京都府内であり、京都府認可の私立高校に在籍している場合、府独自の「あんしん修学支援制度」による補助金を国の就学支援金に上乗せします。
生活保護世帯には年間最大98万円まで、年収目安590万円未満の世帯(A)には年間最大65万円まで、年収目安590~730万円未満の世帯(B)は年間最大26万4,000円まで、年収目安730~910万円未満の世帯(C)には年間最大で19万8,800円を補助。いずれも国の就学支援金を含みます。この制度はA、B、Cいずれも授業料以外の施設設備費なども支援の対象になります。また、同時在学加算として、BとCの世帯で兄弟姉妹が京都府内の私立高校(全日制)に通っている場合、Bは13万2,000円、Cは6万5,200円が加算されます。兄弟姉妹が府内の公立高校に通う場合は1/2の金額が加算されます。詳細な条件などは、京都府のWebサイトでご確認ください。

就学支援金を受け取るためには、申請が必要です。提出された書類をもとに、都道府県が受給資格の認定を行います。
また、就学支援金は、学校が生徒本人に代わって受け取り、授業料に充てます。受給資格が認定されるまでは、私立高校に授業料を支払う必要があるので注意が必要です。審査が終わり、受給が決まった後、すでに支払った授業料が、いつ、どのような方法で返戻されるかは、高校によって異なります。
京都府の私立高校の初年度納付金
私立高校の学費のうち、おもなものは授業料と施設整備費等です。また初年度は入学料(入学金)も必要です。
授業料 (A) | 入学料 (B) | 施設整備費等 (C) | 計 (A+B+C) |
---|---|---|---|
558,822 | 94,744 | 197,218 | 850,784 |
また、私立高校を受験する場合、「入学手続時納入金」の支払いを、公立高校の合格発表後まで待ってもらえる延納制度があるかないかも、重要です。
気になる高校の学費、延納制度を高校のWebサイトで確認しておきましょう。
実際の負担はどれぐらいになるのか試算してみましょう
では、就学支援金を受給できた場合、学費の負担は年間でいくらぐらいになるのかを、私立高校の入学金、施設整備費等、授業料の都道府県別の平均額をもとに算出してみました。
世帯年収の目安 | 生活保護世帯(270万円未満) | ||
---|---|---|---|
学年(年次) | 1年次 | 2年次 | 3年次 |
入学金(円) | 94,744 | - | - |
施設整備費等(円) | 197,218 | 197,218 | 197,218 |
授業料(円) | 558,822 | 558,822 | 558,822 |
納入金額の合計(円) | 850,784 | 756,040 | 756,040 |
就学支援金支給額(円) | -396,000 | -396,000 | -396,000 |
府の支援額(円) | -162,822 | -162,822 | -162,822 |
1年間の実質負担額(円) | 291,962 | 197,218 | 197,218 |
3年間の実質負担額(円) | 686,398 |
世帯年収の目安 | 270万円~590万円未満 | ||
---|---|---|---|
学年(年次) | 1年次 | 2年次 | 3年次 |
納入金額の合計(円) | 850,784 | 756,040 | 756,040 |
就学支援金支給額(円) | -396,000 | -396,000 | -396,000 |
府の支援額(円) | -162,822 | -162,822 | -162,822 |
1年間の実質負担額(円) | 291,962 | 197,218 | 197,218 |
3年間の実質負担額(円) | 686,398 |
世帯年収の目安 | 590万円~730万円未満 | ||
---|---|---|---|
学年(年次) | 1年次 | 2年次 | 3年次 |
納入金額の合計(円) | 850,784 | 756,040 | 756,040 |
就学支援金支給額(円) | -118,800 | -118,800 | -118,800 |
府の支援額(円) | -264,000 | -264,000 | -264,000 |
1年間の実質負担額(円) | 467,984 | 373,240 | 373,240 |
3年間の実質負担額(円) | 1,214,464 |
世帯年収の目安 | 730万円~910万円未満 | ||
---|---|---|---|
学年(年次) | 1年次 | 2年次 | 3年次 |
納入金額の合計(円) | 850,784 | 756,040 | 756,040 |
就学支援金支給額(円) | -118,800 | -118,800 | -118,800 |
府の支援額(円) | ー198,800 | ー198,800 | ー198,800 |
1年間の実質負担額(円) | 533,184 | 438,440 | 438,440 |
3年間の実質負担額(円) | 1,410,064 |
世帯年収の目安 | 910万円以上 | ||
---|---|---|---|
学年(年次) | 1年次 | 2年次 | 3年次 |
納入金額の合計(円) | 850,784 | 756,040 | 756,040 |
就学支援金支給額(円) | -118,800 | -118,800 | -118,800 |
1年間の実質負担額(円) | 731,984 | 637,240 | 637,240 |
3年間の実質負担額(円) | 2,006,464 |
3年間の実質負担額のイメージがわいてきたでしょうか。
授業料などの学費以外にかかる費用にも注意
高校では、制服代、教科書代、通学費、PTA会費、修学旅行のための積立金、部活動費などの費用もかさみます。高校によって、制服代が10万円以上、修学旅行代が20万円以上する場合もあります。入学が決まってから慌てないように、事前にしっかり確認しておきたいポイントです。
また、私立高校には、「特待生制度」や「奨学金制度」を設けている高校もあります。成績や収入の条件などが前提になる場合がありますので、これらも各高校のWebサイトで調べたり、学校説明会などで確認したりしておきましょう。
「高校生等奨学給付金」制度
授業料以外の費用については、無償化の対象にはなりませんが、教育費負担を軽減するために低所得世帯を対象に「高校生等奨学給付金」制度があります。「給付」なので返済の必要がありません。世帯状況と給付額は以下のとおりですが、各都道府県において制度の詳細は異なります。詳細はお住まいの都道府県にお問い合わせください。
世帯状況 | 私立給付額(年額) |
---|---|
⽣活保護受給世帯【全⽇制等・通信制】 | 52,600円 |
⾮課税世帯【全⽇制等】 | 152,000円 |
⾮課税世帯【通信制・専攻科】 | 52,100円 |
「家計急変支援制度」
その他の修学支援策として、失職・倒産等による「家計急変への支援」もあります。
保護者の失職、倒産などの家計急変により収入が激減し、低所得となった世帯に対し、収入の変動が就学支援金の支給額に反映されるまでの間、就学支援金と同等の支援を行う制度です。
なお、各都道府県において、制度の詳細は異なりますので、具体的な要件、手続き等については、進学先(在籍する)の学校または学校の所在する都道府県へお問い合わせください。