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【福井県】私立高校の学費と私立高校授業料の実質無償化
私立高校の授業料などの学費は年間でいくらぐらいかかるのか、また国の就学支援金の内容や県独自の補助金など、保護者が気になる学費について解説します。公立高校が第一志望で私立高校を併願する方も必見です。(2024年5月24日現在の情報となります)※全日制高校の情報となります。
年収590万円未満の世帯で私立高校授業料は実質無償化!
2020年度より、年収目安が590万円未満の家庭では、私立高校に通う高校生への国の就学支援金の上限が39万6,000円に引き上げられました。つまり、授業料が39万6,000円以下の場合には「実質無償」となります。
これにより、学費の面だけで私立高校に進学できなかった受験生の選択肢が広がり、私立高校がより身近になってきました。
福井県独自の制度により授業料33.5万円まで支援
福井県では、2024年4月より県独自の高校授業料無償化制度が年収目安910万円以上の世帯にも拡充されました。910万円以上の世帯は扶養する子どもが2人以上の世帯が対象となります。
国の就学支援金は、全国私学の平均授業料を勘案した額(39万6,000円)が上限で、在学校の授業料がそれよりも低額の場合は、その額が上限となります。年収目安590万円以上で910万円未満の場合は、福井県独自の授業料無償化制度の適用となり、県内の平均授業料額を勘案した額(33万5,000円)が支給の上限となります。年収目安910万円以上は、扶養する子どもが2人以上いる世帯が福井県独自の授業料無償化制度の適応となり、支給額は県内の平均授業料額を勘案した額(33万5,000円)が上限となります。
県独自に入学金を県立高校並みに引き下げ
福井県では、2020年4月から、県内すべての私立高校の入学金が県立高校並みの5,000円~5,650円に大幅に引き下げられました。すべての世帯に適用されるので、年収が910万以上の世帯にも適用されます。
授業料以外にかかる費用にも補助がある
私立高校では、授業料が無償になっても、施設設備費等などさまざまな費用がかかります。これらの授業料以外の費用も、福井県独自の制度によって、年収目安590万円未満の場合には減免補助が受けられます。
詳細は、福井県庁大学私学課のWebサイトでご確認ください。
福井県の私立高校の初年度納付金
私立高校の学費のうち、おもなものは授業料と施設整備費等です。また初年度は入学料(入学金)も必要です。
授業料 (A) | 入学料 (B) | 施設整備費等 (C) | 計 (A+B+C) |
---|---|---|---|
347,472 | 5,520 | 136,870 | 489,862 |
また、私立高校を受験する場合、「入学手続時納入金」の支払いを、公立高校の合格発表後まで待ってもらえる延納制度があるかないかも、重要です。
気になる高校の学費、延納制度を高校のWebサイトで確認しておきましょう。
実際の負担はどれぐらいになるのか試算してみましょう
では、就学支援金を受給できた場合、学費の負担は年間でいくらぐらいになるのかを、私立高校の入学金、施設整備費等、授業料の都道府県別の平均額をもとに算出してみました。
世帯年収の目安 | 270万円未満 | ||
---|---|---|---|
学年(年次) | 1年次 | 2年次 | 3年次 |
入学金(円) | 5,520 | - | - |
施設整備費等(円) | 136,870 | 136,870 | 136,870 |
授業料(円) | 347,472 | 347,472 | 347,472 |
納入金額の合計(円) | 489,862 | 484,342 | 484,342 |
就学支援金支給額(円) | -347,472 | -347,472 | -347,472 |
県の施設設備費等補助(円) | -90,000 | -90,000 | -90,000 |
1年間の実質負担額(円) | 52,390 | 46,870 | 46,870 |
3年間の実質負担額(円) | 146,130 |
世帯年収の目安 | 270~350万円未満 | ||
---|---|---|---|
学年(年次) | 1年次 | 2年次 | 3年次 |
納入金額の合計(円) | 489,862 | 484,342 | 484,342 |
就学支援金支給額(円) | -347,472 | -347,472 | -347,472 |
県の施設設備費等補助(円) | -45,000 | -45,000 | -45,000 |
1年間の実質負担額(円) | 97,390 | 91,870 | 91,870 |
3年間の実質負担額(円) | 281,130 |
世帯年収の目安 | 350~590万円未満 | ||
---|---|---|---|
学年(年次) | 1年次 | 2年次 | 3年次 |
納入金額の合計(円) | 489,862 | 484,342 | 484,342 |
就学支援金支給額(円) | -347,472 | -347,472 | -347,472 |
県の施設設備費等補助(円) | -30,000 | -30,000 | -30,000 |
1年間の実質負担額(円) | 112,390 | 106,870 | 106,870 |
3年間の実質負担額(円) | 326,130 |
世帯年収の目安 | 590~910万円未満 | ||
---|---|---|---|
学年(年次) | 1年次 | 2年次 | 3年次 |
納入金額の合計(円) | 489,862 | 484,342 | 484,342 |
国の就学支援金支給額(円) | -118,800 | -118,800 | -118,800 |
県の授業料補助額(円) | -216,200 | -216,200 | -216,200 |
1年間の実質負担額(円) | 154,862 | 149,342 | 149,342 |
3年間の実質負担額(円) | 453,546 |
世帯年収の目安 | 910万円以上(子どもが2人以上) | ||
---|---|---|---|
学年(年次) | 1年次 | 2年次 | 3年次 |
納入金額の合計(円) | 489,862 | 484,342 | 484,342 |
県の授業料補助額(円) | -335,000 | -335,000 | -335,000 |
1年間の実質負担額(円) | 154,862 | 149,342 | 149,342 |
3年間の実質負担額(円) | 453,546 |
世帯年収の目安 | 910万円以上(子どもが1人) | ||
---|---|---|---|
学年(年次) | 1年次 | 2年次 | 3年次 |
納入金額の合計(円) | 489,862 | 484,342 | 484,342 |
1年間の実質負担額(円) | 489,862 | 484,342 | 484,342 |
3年間の実質負担額(円) | 1,458,546 |
3年間の実質負担額のイメージがわいてきたでしょうか。
授業料などの学費以外にかかる費用にも注意
高校では、制服代、教科書代、通学費、PTA会費、修学旅行のための積立金、部活動費などの費用もかさみます。高校によって、制服代が10万円以上、修学旅行代が20万円以上する場合もあります。入学が決まってから慌てないように、事前にしっかり確認しておきたいポイントです。
また、私立高校には、「特待生制度」や「奨学金制度」を設けている高校もあります。成績や収入の条件などが前提になる場合がありますので、これらも各高校のWebサイトで調べたり、学校説明会などで確認したりしておきましょう。
「奨学給付金」制度
授業料以外の費用については、無償化の対象にはなりませんが、教育費負担を軽減するために低所得者世帯を対象に「奨学給付金」制度があります。「給付」なので返済の必要がありません。世帯状況と給付額は以下のとおりですが、各都道府県において制度の詳細は異なります。詳細はお住まいの都道府県にお問い合わせください。
世帯状況 | 私立給付額(年額) |
---|---|
生活保護受給世帯【全日制等・通信制】 | 52,600円 |
非課税世帯【全日制等】(第1子) | 142,600円 |
非課税世帯【全日制等】(第2子以降) ※15歳以上23歳未満の兄弟姉妹がいる場合 | 152,000円 |
非課税世帯【通信制・専攻科】 | 52,100円 |
「家計急変への支援」制度
その他の修学支援策として、失職・倒産等による「家計急変への支援」もあります。
保護者の失職、倒産などの家計急変により収入が激減し、低所得となった世帯に対し、収入の変動が就学支援金の支給額に反映されるまでの間、就学支援金と同等の支援を行う制度です。
なお、各都道府県において、制度の詳細は異なりますので、具体的な要件、手続等については、進学先(在籍する)の学校または学校の所在する都道府県へお問い合わせください。