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【愛知県】私立高校の学費と私立高校授業料の実質無償化
私立高校の授業料などの学費は年間でいくらぐらいかかるのか、また、2020年度より大幅に引き上げられた国の就学支援金の内容など、保護者が気になる学費について解説します。公立高校が第一志望で私立高校を併願する方も必見です。(2022年5月25日現在の情報となります)

年収590万円未満の世帯で私立高校授業料は実質無償化!
2020年度より、年収目安が590万円未満の家庭では、私立高校に通う高校生への国の就学支援金の上限が39万6,000円に引き上げられました。つまり、授業料が39万6,000円以下の場合には「実質無償」となります。
これにより、学費の面だけで私立高校に進学できなかった受験生の選択肢が広がり、私立高校がより身近になってきました。

就学支援金を受け取るためには、申請が必要です。提出された書類をもとに、都道府県が受給資格の認定を行います。
また、就学支援金は、学校が生徒本人に代わって受け取り、授業料に充てます。受給資格が認定されるまでは、私立高校に授業料を支払う必要があるので注意が必要です。審査が終わり、受給が決まった後、すでに支払った授業料が、いつ、どのような方法で返戻されるかは、高校によって異なります。
愛知県独自の制度で年収840万円未満世帯まで授業料支援
愛知県では、2020年度から独自の軽減補助が年収目安840万円未満の世帯まで拡大され、無償化の対象となる世帯が増えました。
国の就学支援金は、全国私学の平均授業料を勘案した額(396,000円)が上限ですが、愛知県独自の軽減補助で、上限が422,400円まで引き上げられました。年収目安が840万円未満の場合には、半額の211,200円が上限となります。
県独自の制度は、生徒および保護者が県内在住でかつ県内の私立高校に在学する場合のみ申請できます。県外の高校に進学した場合には、国の就学支援金のみの適用になります。
県独自の制度は学年によって補助額が異なります。詳細は、愛知県私学協会のサイトまたは愛知県のWebサイトでご確認ください。
名古屋市では最大44,000円の授業料を補助
国と県の制度の他に、市町村独自で補助を実施するところもあります。
名古屋市では独自の授業料補助を行っており、愛知県の授業料軽減事業の対象範囲でないことが条件となります。2021年度の算定基準額が325,500円未満の世帯には年額44,000円(3年生は年額42,000円)、2021年度の算定基準額が415,500円未満の世帯には年額27,000円(3年生は年額25,000円)の補助金が支給されます。
その他の市町村でも独自の補助制度が設けられています。詳しくは、愛知県私学協会のWebサイトや各自治体のWebサイトでご確認ください。
さらに入学金も20万円まで補助
愛知県では、これまでも入学金の軽減補助がありましたが、2020年度から、年収目安720万円未満程度の世帯には20万円、720万円以上840万円未満程度の世帯には10万円が補助されます。こちらも県独自の制度なので、生徒および保護者が県内在住でかつ県内の私立高校に在学する場合のみ申請でき、県外の高校に進学した場合は対象外となります。

詳細は、愛知県のWebサイトでご確認ください。
愛知県の私立高校の初年度納付金
私立高校の学費のうち、おもなものは授業料と施設整備費等です。また初年度は入学料(入学金)も必要です。
授業料 (A) | 入学料 (B) | 施設整備費等 (C) | 計 (A+B+C) |
---|---|---|---|
423,499 | 203,321 | 35,916 | 662,736 |
また、私立高校を受験する場合、「入学手続時納入金」の支払いを、公立高校の合格発表後まで待ってもらえる延納制度があるかないかも、重要です。
気になる高校の学費、延納制度を高校のWebサイトで確認しておきましょう。
実際の負担はどれぐらいになるのか試算してみましょう
では、就学支援金を受給できた場合、学費の負担は年間でいくらぐらいになるのかを、私立高校の入学金、施設整備費等、授業料の都道府県別の平均額をもとに算出してみました。
世帯年収の目安 | 590万円未満 | ||
---|---|---|---|
学年(年次) | 1年次 | 2年次 | 3年次 |
入学金(円) | 203,321 | - | - |
施設整備費等(円) | 35,916 | 35,916 | 35,916 |
授業料(円) | 423,499 | 423,499 | 423,499 |
納入金額の合計(円) | 662,736 | 459,415 | 459,415 |
就学支援金支給額(円) | -396,000 | -396,000 | -396,000 |
1年間の実質負担額(円) | 266,736 | 63,415 | 63,415 |
3年間の実質負担額(円) | 393,566 |
世帯年収の目安 | 590~910万円程度 | ||
---|---|---|---|
学年(年次) | 1年次 | 2年次 | 3年次 |
入学金(円) | 203,321 | - | - |
施設整備費等(円) | 35,916 | 35,916 | 35,916 |
授業料(円) | 423,499 | 423,499 | 423,499 |
納入金額の合計(円) | 662,736 | 459,415 | 459,415 |
就学支援金支給額(円) | -118,800 | -118,800 | -118,800 |
1年間の実質負担額(円) | 543,936 | 340,615 | 340,615 |
3年間の実質負担額(円) | 1,225,166 |
3年間の実質負担額のイメージがわいてきたでしょうか。
授業料などの学費以外にかかる費用にも注意
高校では、制服代、教科書代、PTA会費、修学旅行のための積立金、部活動費などの費用もかさみます。高校によって、制服代が10万円以上、修学旅行代が20万円以上する場合もあります。入学が決まってから慌てないように、事前にしっかり確認しておきたいポイントです。
また、私立高校には、「特待生制度」や「奨学金制度」を設けている高校もあります。成績や収入の条件などが前提になる場合がありますので、これらも各高校のWebサイトで調べたり、学校説明会などで確認したりしておきましょう。
「奨学給付金」制度
授業料以外の費用については、無償化の対象にはなりませんが、教育費負担を軽減するために低所得者世帯を対象に「奨学給付金」制度があります。「給付」なので返済の必要がありません。世帯状況と給付額は以下のとおりですが、各都道府県において制度の詳細は異なります。詳細はお住まいの都道府県にお問い合わせください。
世帯状況 | 私立給付額(年額) |
---|---|
生活保護受給世帯【全日制等・通信制】 | 52,600円 |
非課税世帯【全日制等】(第1子) | 134,600円 |
非課税世帯【全日制等】(第2子以降) ※15歳以上23歳未満の兄弟姉妹がいる場合 | 152,000円 |
非課税世帯【通信制・専攻科】 | 52,100円 |
「家計急変への支援」制度
その他の修学支援策として、失職・倒産等による「家計急変への支援」もあります。
保護者の失職、倒産などの家計急変により収入が激減し、低所得となった世帯に対し、収入の変動が就学支援金の支給額に反映されるまでの間、就学支援金と同等の支援を行う制度です。
なお、各都道府県において、制度の詳細は異なりますので、具体的な要件、手続等については、進学先(在籍する)の学校または学校の所在する都道府県へお問い合わせください。