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【愛知県】2022年度:公立高校入試分析-入試結果はどうだった?
2022年度の公立高校入試結果について解説します。

公立志願率の減少は止まらず、第2次選抜で2,700人以上の募集
2022年度公立高校一般選抜及び推薦選抜の志願者総数は74,234人と、2021年度の72,057人と比較して約2,200人増えました。ただ、これは2022年度入試の対象である中学3年生の人数が増えたことによるものであり、公立高校志願者の割合は減少しています。
2021年12月に行われた進路希望状況調査によると、県立公立高校(全日制)への進学希望者は卒業見込み者総数の64.2%で、前年度より0.1ポイント減少しました。公立高校志願時点でもその傾向は変わらず、近年の公立離れに拍車をかける結果となりました。

そのため、2022年度公立高校入学者選抜の一般選抜及び推薦選抜で合格者が募集人員を満たせず、第2次選抜で2,734人の募集となりました。 第2次選抜の募集人員はここ数年増え続けていますが、志願者は集まらず公立離れが進んでいる状況です。2021年度は2,693人募集に対し21人志願、2022年度は2,734人募集に対し36人志願でした。人数の上では志願者が増加しているように思われますが、これも中学3年生の人数が増えたことによる影響であり、割合で見ると公立高校第2次選抜志願者の割合は減少しています。
2校の組み合わせによっては高倍率に注意すべき場合もあり
群 | Aグループ | Bグループ |
---|---|---|
尾張第1群 | 名東 | 菊里 |
昭和 | ||
松蔭 | ||
名東 | 天白 | |
昭和 | ||
松蔭 | ||
名東 | 名古屋西 | |
昭和 | ||
松蔭 | ||
熱田 | 天白 | |
名古屋西 | ||
尾張第2群 | 向陽 | 瑞陵 |
三河群 | 豊丘 | 小坂井 |
公立離れが進んでいるとはいえ、すべての高校で志願者が減っているわけではありません。中には高倍率の高校もあります。特に、愛知県の公立高校入学者選抜では2校志願することができるので、注意が必要な組み合わせもあります。
2022年度入試においては、例えば、尾張第2群では向陽(A)―瑞陵(B)、三河群では豊丘(A)―小坂井(B)などが高い倍率の組み合わせでした。尾張第1群は組み合わせ例をご確認ください。
尾張第1群では、前年度に続き、昭和(A)―天白(B)の組み合わせで高倍率となりました。昭和高校普通科は、募集人員が40人増え、志願者総数が前年度より減ったので、最終倍率はやや落ち着きました。天白高校普通科は、第1志願者数が450人(25人増)、第2志願者数が636人(107人増)と志願者が大幅に増え、最終倍率は3.0倍を超えました。
昭和・普通科 | 天白・普通科 | |
---|---|---|
募集人員 | 360(320) | 360 |
第1志願者数 | 575 | 450(425) |
内推薦選抜等志願者数 | 52 | 44 |
第2志願者数 | 170 | 636(529) |
志願者総数 | 745 | 1086 |
最終倍率 | 2.07 | 3.02 |
一般選抜合格者数 | 317 | 317 |
推薦選抜等合格者数 | 43 | 43 |
尾張第2群では、瑞陵高校で理数科が新設されたことに伴い、普通科の募集人員が40人減少しました。内訳を見ると推薦選抜等志願者数は減ったものの、第1志願者数・第2志願者数ともに前年度と大きく変わらず、最終倍率が3.0倍を超えました。その結果、向陽(A)―瑞陵(B)は、高倍率の組み合わせとなりました。新設学科の志願者がいても、普通科志望者がその分減るわけではなく、高倍率となる様子が見られます。
向陽・普通科 | 瑞陵・普通科 | |
---|---|---|
募集人員 | 320 | 280(320) |
第1志願者数 | 713 | 398 |
内推薦選抜等志願者数 | 120 | 83(115) |
第2志願者数 | 110 | 560 |
志願者総数 | 823 | 958 |
最終倍率 | 2.57 | 3.42 |
一般選抜合格者数 | 285 | 250 |
推薦選抜等合格者数 | 35 | 30 |
向陽・国際科学科 | 瑞陵・理数科 | |
募集人員 | 40 | 40 |
第1志願者数 | 69 | 47 |
内推薦選抜等志願者数 | 31 | 8 |
第2志願者数 | 3 | 46 |
志願者総数 | 72 | 93 |
最終倍率 | 1.8 | 2.33 |
一般選抜合格者数 | 28 | 33 |
推薦選抜等合格者数 | 12 | 7 |
納得のいく第一志望校を選び、合格できるだけの力を着けることが大切
このように、一部の高校では志願者が集まりやすく、2校の組み合わせによっては高倍率となる可能性もあります。向陽高校のように、新設学科ができたことで普通科の募集人員が減り、厳しい状況が続いている高校もあります。
また、2023年度から愛知県公立高校の入試制度が新しくなり、推薦選抜の入試日程や一般選抜の学力検査の回数が変わります。入試制度が変わっても、行きたい高校を第一志望と考えて、その高校に合格できるだけの力を着けることが大切です。
高校・学科の特色を確認して、第一志望校を選ぶ
まずは、納得のいく第一志望校を選ぶことが大切です。愛知県の公立高校では、ここ数年で、瑞陵高校理数科、刈谷北高校国際教養科、岡崎北高校理数科などが新設されました。今後も、県立高校は魅力化・特色化、再編などを進める方針を掲げています。普通科と異なる学科では何が学べるのか、また、普通科でも高校ごとの違いを確認して、志望校や志望学科を選択しましょう。
内申点を確保し、学力検査で得点する力を着ける
そして、公立高校入試では第1志願者が第2志願者よりも有利に扱われることはありません。志望校に合格できるだけの力を着けましょう。
中学3年生の1学期までに、内申点を取り切りましょう。苦手教科・単元が残らないよう夏までに徹底的に復習をし、9月以降は過去問に取り組んでください。出願直前になって倍率を見て焦らなくて済むように、今から実力を着けていきましょう。
中学1・2年生も、今から評定を上げておきましょう。調査書(内申書)に記入される内申点は中3の評定のみが対象ですが、中3になってから評定を上げるのは難しいものです。また、中学2年生までの学習内容を理解し、苦手を潰しておくことも大切です。今からできる対策を進めて、第一志望校合格をめざしましょう。