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【愛知県】2024年度 公立高校入試結果 推薦選抜の志願者・合格者増で一般選抜はどうなった?

2024年度(令和6年度)の愛知県公立高校入試結果について解説します。※全日制高校の情報です。

【愛知県】2024年度 公立高校入試結果 推薦選抜の志願者・合格者増で一般選抜はどうなった?

公立高校の進学希望者が増加傾向に転じた

2024年度(令和6年度)高校入試における愛知県の志願動向の特徴は、公立高校への進学希望者が増えたことです。

2023年12月に中学3年生に実施された進路希望状況調査では、県内公立高校(全日制課程)への進学希望者は64.0%で、前年度より1.1ポイント増。一方、県内私立高校(全日制課程)への進学希望者は21.8%で、前年度より1.4ポイント減でした。
今まで、公立高校進学希望者の減少傾向が続いていましたが、公立の進学希望率が増加傾向に転じました。

愛知県 全日制高校志願率の推移

入試日程変更により推薦選抜・特色選抜の志願者が増えた

なぜ、公立高校への進学希望者が増えたのでしょうか。その背景には、公立高校の入試日程変更があると考えられます。

2023年度(令和5年度)から、公立高校推薦選抜の合格発表が2月上旬に約1か月早まりました。制度変更の2年目になり、「早期に合格を確定させられるのであれば、公立へ志願したい」と考えた受験生が一定数いたのでしょう。志願者数の推移を見ると、私立高校の推薦入試・一般入試合計の志願者数が855人減少した一方で、公立高校の推薦選抜・特色選抜の志願者が合計673名増加しました。

愛知県 私立高校入試の志願者数推移
愛知県 公立高校推薦選抜・特色選抜の志願者数推移

一般選抜の倍率は高くなった

公立高校の推薦選抜・特色選抜の募集枠は高校・学科ごとに定められており、その範囲の中で合格者数が決まります。推薦選抜と一般選抜で日程が分かれたことで、推薦選抜・特色選抜の募集枠内より合格者を多く出した高校・学科もありました。そのような高校・学科では、一般選抜の募集枠が小さくなり、一般選抜の倍率が上がりました。

2024年度の一般選抜は、募集人員31,417人に対して、志願者総数は59,007人。志願変更後の最終倍率は1.88倍で、前年度の1.85倍よりも0.03ポイント高くなりました。

専門学科は、一般選抜が高倍率になりやすい

とくに一般選抜の倍率が高くなりやすいのは、国際系、理数系、探究系など、一般の枠が小さく、そもそも募集人員が少ない専門学科です。2024年度試で最終倍率が高かった専門学科の高校は、工芸高校情報科、名東高校国際英語科などでした。なかには、募集人員の50%近くを推薦・特色選抜合計で合格者を出し、一般選抜の募集枠がかなり小さい高校・学科もあります。

推薦選抜・特色選抜に志願することで、一般選抜のみよりも受験チャンスは増えます。ただ、高校・学科によっては、志願者が多く不合格者が多く出る選抜でもあります。不合格だった場合は一般選抜に向けて気持ちを切り替えること、また、あらかじめ一般選抜に向けて学力・内申点を確保しておくことが大切です。

普通科は、組み合わせのしやすい高校が高倍率に

普通科の場合は、募集人員の80~90%が一般選抜の枠として残っています。推薦選抜・特色選抜の合格者で募集枠が埋まってしまうわけではないので、焦ることはありません。

ただ、一部の高校は高倍率になる傾向があります。愛知県では公立高校2校へ出願することができ、2校出願する受験生は志願者の8割に及びます。つまり、志願者は「延べ」で考えると、倍の人数になります。第2志望まで含めると、組み合わせしやすい高校は高倍率になる傾向があるのです。2024年度入試において、普通科で最終倍率が高かったのは、尾張第1群の菊里高校、尾張第2群の瑞陵高校、三河群の安城高校などでした。ただし、志望者全員がその高校・学科の選抜対象になるわけではありません。高倍率だからというだけで志望校をあきらめず、行きたい高校を志望校にしていきましょう。

2校出願できるとはいっても、入試において第1志願者が第2志願者よりも有利に扱われることはありません。総合得点の高い順に合否が決まります。一般選抜に向けて、今からできる対策を進めることが大切です。

一般選抜の志願状況について、詳しくは別の記事でまとめています。

納得のいく志望校を選び、合格できるだけの力をつけることが大切

愛知県公立高校入試においては、出願後に志願変更が1回可能です。2024年度入試では、Web出願システムが導入され志願変更手続きがしやすくなったとはいえ、例年以上に志願変更は行われませんでした。

愛知県公立高校入試では2校へ出願できますが、学科・群によって組み合わせられる高校・学科に制限があるため、出願までに納得のいく志望校を考えておく必要があります。しくみ上、どの高校・学科であれば組み合わせできるのか、本当にその組み合わせでよいのか、出願直前に慌てることがないように早めに考えておきましょう。

また、一般選抜で提出する調査書(内申書)に記入される内申点は中学3年生の評定のみが対象とはいえ、中3になってから評定を上げるのは難しいものです。中1、中2のうちから、ふだんの学習内容を理解し、内申点を確保しておくことが大切です。今からできる対策を進めて、第一志望校合格をめざしましょう。

この記事を書いた人

愛知県入試分析担当

愛知県入試分析担当

進研ゼミ『中学講座』

愛知県の高校入試分析を担当しています。進研ゼミのサービスをフル活用して志望校に合格できるよう、受験生と保護者に役立つ情報を提供していきます。

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