最新入試情報
【東京都】2024年度 都立高校入試分析 全校男女合同選抜初年度の入試はどうだったか?
2024年度(令和6年度)の都立高校入試の結果や入試動向について解説します。
2024年度入試も例年どおり厳しい入試に
2024年度の都立高校入試は「推薦選抜」応募倍率が2.48倍(前年度2.47倍)、「一般選抜」が1.38倍(前年度1.37倍)とほぼ前年度と同様の高い倍率の厳しい入試となりました。
また、都立高校入試の「一般選抜」では、例年1万人以上の不合格者が出ますが、2024年度でも10,060人と、やはり1万人以上の不合格者がでる入試となっています。
「一般選抜」で100名以上の不合格者を出した高校は42校もありました。
高校名 | 学科名 | 推薦選抜応募倍率 | 一般選抜応募倍率 | 一般選抜不合格者数 |
---|---|---|---|---|
新宿高校 | 普通科(単位制) | 7.66 | 2.42 | 322 |
豊島高校 | 普通科 | 4.66 | 2.27 | 272 |
城東高校 | 普通科 | 4.97 | 1.91 | 230 |
晴海総合高校 | 総合学科 | 3.30 | 2.15 | 198 |
上野高校 | 普通科 | 2.61 | 1.95 | 196 |
向丘高校 | 普通科 | 3.38 | 2.00 | 196 |
芦花高校 | 普通科(単位制) | 3.25 | 2.07 | 195 |
武蔵丘高校 | 普通科 | 3.50 | 1.85 | 191 |
青山高校 | 普通科 | 3.79 | 2.07 | 185 |
本所高校 | 普通科 | 5.21 | 2.01 | 180 |
最も多くの322人の不合格者を出した新宿高校は推薦選抜の応募倍率で7.66倍、一般選抜の応募倍率で2.42倍と、どちらの選抜でも高い倍率となりました。
多くの不合格者を出す高校は推薦選抜でも高い倍率となります。このような高校をめざす場合、推薦選抜を受検するとしても、一般選抜まで受検することを前提に準備をしておくことが必要です。
進学指導重点校の結果は?
進学指導重点校7校では、不合格者が100名以上出た高校は4校でした。それ以外の高校も高い学力層の中での戦いになりますので、内申点をしっかりと獲得したうえで、学力検査で得点できる実力をつけることが必要です。
立川高校の普通科の一般選抜の最終応募倍率は1.45倍でしたが、併設の創造理数科が第一志望で普通科を第二志望とすることができるため、選抜では創造理数科で合格にならなかった人のうち普通科を第二志望にしている人を含めての合否選抜になります。そのため、実際の倍率はもっと高くなりますので、倍率の高低に関わらず、合格できる実力をつけることが重要です。
高校名 | 学科名 | 推薦選抜応募倍率 | 一般選抜応募倍率 | 一般選抜不合格者数 |
---|---|---|---|---|
青山高校 | 普通科 | 3.79 | 2.07 | 185 |
戸山高校 | 普通科 | 3.34 | 1.98 | 143 |
西高校 | 普通科 | 2.95 | 1.70 | 108 |
国立高校 | 普通科 | 3.55 | 1.56 | 105 |
日比谷高校 | 普通科 | 2.55 | 1.81 | 86 |
立川高校 | 普通科 | 2.95 | 1.45 | 67 |
八王子東高校 | 普通科 | 2.27 | 1.36 | 63 |
立川高校 | 創造理数科 | 1.13 | 2.71 | 47 |
各選抜の倍率については、以下の記事で詳しく取り上げています。確認してみましょう。
進研ゼミの難関校対策セミナーを活用しよう!
「進研ゼミ」では、東京都で進学指導重点校などの難関校をめざす中学生とその保護者向けに「難関校対策セミナー」を開催しています。4月には難関校に合格するための合格戦略について、7月には自校作成問題にはどのような力が求められているか、またその対策法について教科別に解説しています。録画でもご覧になれますので、難関校をめざす方はぜひご視聴ください。
全校で男女合同選抜になった影響は?
今まで全日制普通科(コース・単位制除く)では、男女別に募集人員が決められ、合否選抜も男女別々に行われ、男子は男子、女子は女子それぞれの中での選抜となっていました。
しかし、2024年度入試から推薦選抜・一般選抜ともに全校で男女合同選抜が実施されるようになりました。これによりどのような影響があったのでしょうか。
残念ながら男女別の志願者数や合格者数は発表されていませんので、どの高校で男子がまたは女子が多く志願・合格しているということはわかりません。ただ、例年女子が高倍率となっている三田高校は2024年度入試の推薦選抜で調査書の比率を大きく下げてきました、今後同様に推薦選抜での選抜内容や比率の見直す高校もあるかもしれません。選抜内容が発表されたら、早めに内容を確認しておくようにしましょう。
東京都の私立高等学校等授業料軽減助成金の年収制限が撤廃に!
今まで国の就学支援金と合わせて東京都の私立高等学校等授業料軽減助成金により、授業料の負担が軽くなることで、経済的な理由で私立高校に通わせることが難しいご家庭も志望校選択の幅が広がるようになっていました。一方、この制度では世帯の年収目安が910万円以上の世帯には助成がありませんでした。
しかし、2024年度より東京都の私立高等学校等授業料軽減助成金は世帯年収に関わらず助成されるようになりました。もちろん、期日までに申請が必要なことや、生徒と保護者が都内にお住まいであることなど、条件がありますが、志望校の選択肢が広がりますので、自分に本当に合う高校を選んでいきましょう。
詳しい制度内容については東京都生活文化スポーツ局の「高等学校等就学支援金(私立高等学校等)について」でご確認ください。
通信制高校の志願率が上昇!
東京都の私立高等学校等授業料軽減助成金などにより、志望校選択の幅が広がってきましたが、都立高校・私立高校など志望者の動きを見てみましょう。
下のグラフは2020年度から2023年度にかけて中学3年生を対象に行った進路希望調査の結果です。下のグラフにある全日制国立・私立・他県公立高校は、内訳は発表されていませんが受験者数や学校数から見るに、全日制私立高校が志望の多くを占めていると言えます。つまり、全日制都立高校と全日制国立・私立・他県公立高校の志望率はゆるやかに下降傾向にあるのです。反対に上昇しているのは、定時制・通信制高校です。定時制高校・通信制高校の内訳は、2023年度で定時制高校3.83%、通信制高校が4.86%と、通信制のほうが多くなっており、定時制高校・通信制高校の志望率増は定時制高校の志望率が大きく変動していないことから、通信制高校がけん引しているといえます。そして、通信制の志望率の増加は今後も続くと予想されます。
「進研ゼミ」では6月1日に開催するオンラインセミナーで、通信制高校について詳しく解説します。後日録画でもご覧いただけますので、ぜひご視聴ください。
自分に合った進路を選ぶために、早めの情報収集と内申点対策を!
進路の選択肢が増えてきている昨今だからこそ、早めに情報収集を始め、慎重に志望校検討をしましょう。
そして志望校合格のためには、中1・2の頃からの中学校の成績をしっかりと獲得していくことがとても重要です。都立高校では中学3年生の成績のみが内申点となりますが、中学3年生から急に成績を上げようと思っても難しいものです。早くから対策をしておきましょう。内申点を少しでも多く取れていれば、いざ受験校を決めるときに、志望校をあきらめずにすみます。「受験はまだ先」と考えず、コツコツと学力を伸ばしておきましょう。
「進研ゼミ」では、今後も。オンラインセミナーや<高校入試情報サイト>でのニュースなどで東京都の最新入試情報や高校情報などで役立つ情報を発信していきますので、ぜひお活用ください。志望校合格まで一緒に頑張りましょう!
※この記事では、都立高校の入試について、推薦に基づく選抜を「推薦選抜」、学力検査に基づく選抜(第一次募集・分割前期募集)を「一般選抜」と表現しています。
※この記事でとくに記載のない場合は全日制課程についての内容です。
※この記事でとくに記載のない年度は「入試年度」です。