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【神奈川県】2023年度:公立高校入試分析-入試結果はどうだった?
2023年度(令和5年度)の神奈川県公立高校入試の結果について解説します。
「志願倍率」はほぼ横ばい傾向
「志願者数÷募集人員」で算出された数値を「志願倍率」(ここでは志願変更後の倍率を掲載)といいます。神奈川県の公立高校の「志願倍率」はここ数年1.18倍前後で推移しており、ほぼ横ばいです。
公立離れの傾向は鈍化
また、公立高校を志願する割合は年々低下していましたが、こちらも横ばいになっています。
神奈川県のように、首都圏で私立高校の選択肢が多くある地域では、公立高校だけでなく、私立高校も含めて幅広く志望校を検討することができます。
昨今は私立高校の授業料実質無償化もあり、推薦入試などの制度を利用して早めに進学先を確保できることもあって、私立高校人気、公立離れの傾向が見えていましたが、それも落ち着いてきたといえるでしょう。
公立高校の高倍率校と低倍率校の差は顕著に
公立高校全体の志願倍率は、冒頭に示したようにここ数年ほぼ横ばいですが、高校・学科を個別に見ていくと、別の傾向が見えてきます。
2023年度入試で、志願変更締め切り後の2月8日時点の志願者数を募集定員で割った競争率が高かった高校(全日制普通科)は、昨年同様、学力向上進学重点校の指定を受けている横浜翠嵐高校、湘南高校や、多摩高校、希望ケ丘高校、大和高校、光陵高校といったエントリー校など、大学進学指導にとくに力を入れている高校が多くなっています。
高校名 | 競争率 | |
---|---|---|
1 | 横浜翠嵐高校 | 1.98 |
2 | 多摩高校 | 1.87 |
3 | 湘南高校 | 1.60 |
4 | 新城高校 | 1.58 |
5 | 住吉高校 | 1.54 |
6 | 希望ケ丘高校 | 1.54 |
7 | 大和高校 | 1.53 |
8 | 岸根高校 | 1.49 |
9 | 光陵高校 | 1.45 |
10 | 七里ガ浜高校 | 1.44 |
一方、募集定員に達せず、二次募集を行う高校は例年一定数出ており、全日制の共通選抜二次募集の募集人員は2022年度(令和4年度)から大きく増加し、2023年度でもほぼ同程度の募集が出ている状況です。
年度 | 実施校数 | 募集人員 |
---|---|---|
2021年度 | 37校 | 1,039人 |
2022年度 | 36校 | 1,521人 |
2023年度 | 37校 | 1,520人 |
今後もこうした傾向は続くと推測されますので、大学進学指導等を重視する公立高校をめざす場合には、しっかりとした学力を着実につけていき、厳しい競争を勝ち抜いていく必要があるといえそうです。
2024年度からの入試制度の変更ポイントをおさえよう
さらに、2024年度(令和6年度)入試から、一部変更される部分があります。
まず、公立高校入試の共通選抜で全員必須だった面接が、特色検査として一部の学校での実施となります。各校の選抜基準(選抜資料の比率、特色検査の内容など)については今後詳しく発表になりますので、志望校の選抜基準に注目しておきましょう。
また、第2次選考では調査書の観点別評価のうち、「主体的に学習に取り組む態度」を得点化することになりました。第2次選考の定員は定員の10%ですが、ここで影響するということをしっかりおさえ、内申点対策に力を入れておくことがますます大切になるといえそうです。