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【神奈川県】2022年度:公立高校入試分析-入試結果はどうだった?
2022年度の神奈川県公立高校入試の結果の振り返りについてお伝えします。
「志願倍率」はほぼ横ばい。 しかし「公立志願率」を算出してみると公立離れの傾向が
「志願者数÷募集人員」で算出された数値を「志願倍率」(ここでは志願変更後の倍率を掲載)といいます。 神奈川県の公立高校の「志願倍率」はここ数年1.18倍前後で推移しており、はほぼ横ばいですが、「志願者数」を「公立中学校等卒業予定者数※」で割って公立高校を志願した割合を算出してみると、この5年間で公立高校を志願する割合は低下してきており、「公立離れ」の傾向が見えてきます。
首都圏は公立高校だけでなく、私立高校など多くの選択肢が
上記を見ると、実際に公立高校を志願する生徒の割合は年々低下しており、私立高校等他の進学先に流れているといえます。
昨今は私立高校の授業料実質無償化に加え、推薦や書類選考などの制度を利用して、早めに進学先を確保できることも、そうした私立高校等への流れを後押ししているといえるでしょう。
神奈川県のように、首都圏で私立高校の選択肢が多くある地域では、公立高校だけでなく、私立高校も含めて幅広く志望校を検討している状況が伺えます。
公立高校は高倍率校と低倍率校にわかれる
公立高校離れの傾向ならば、公立高校の受検は競争の激しさが軽減しているのかというと、そうともいえません。公立高校全体の志願倍率は、冒頭に示したようにここ数年ほぼ横ばいですが、高校・学科を個別に見ていくと、大きく様子が異なります。
2022年度入試で実質倍率が高かった高校(全日制普通科)は、学力向上進学重点校の指定を受けている横浜翠嵐高校をはじめ、多摩高校、横浜緑ケ丘高校、鎌倉高校、希望ケ丘高校、茅ケ崎北陵高校、横浜平沼高校といったエントリー校など、大学進学指導に特に力を入れている高校が多くなっています。
高校名 | 実質倍率 | |
---|---|---|
1 | 横浜翠嵐 | 2.07 |
2 | 多摩 | 1.66 |
3 | 横浜緑ケ丘 | 1.64 |
4 | 湘南台 | 1.63 |
5 | 新城 | 1.51 |
6 | 鎌倉 | 1.51 |
7 | 希望ケ丘 | 1.5 |
8 | 茅ケ崎北陵 | 1.5 |
9 | 横浜平沼 | 1.49 |
10 | 市立南 | 1.47 |
一方で、実質倍率が1.0未満で二次募集を行う高校数も一定数出る傾向が続いています。下記の表に示したように、全日制の共通選抜二次募集の募集人員は今回大きく増加しています。
年度 | 実施校数 | 募集人員 |
---|---|---|
R2 | 41校 | 1071人 |
R3 | 37校 | 1039人 |
R4 | 36校 | 1521人 |
今後もこうした傾向は続くと推測されますので、特に大学進学指導等を重視する公立高校を目指す場合には、しっかりとした学力を着実につけていき、厳しい競争を勝ち抜いていく必要があるといえそうです。