最新入試情報
【東京都】2025年度(令和7年度)都立高校 一般選抜 最終応募倍率速報
東京都教育委員会は、2025年度(令和7年度)東京都立高等学校入学者選抜応募状況(最終応募状況)を発表しました。今後の日程としては、学力検査は2月21日(金)、合格者の発表は3月3日(月)となります。(海外帰国生徒対象及び在京外国人対象(国際高校)を除く。)
※全日制高校の情報となります。

全日制の最終応募倍率は1.29倍、普通科は1.34倍と、前年より大きく下降
2025年春の卒業予定者(中学校3年生)は252人減少しており、募集人員は265人減少となりました。一方、最終応募人員は3,299人も減少し、全日制の最終応募倍率は前年度の1.38倍から1.29倍に、また全日制のうち普通科合計の最終応募倍率は1.45倍から1.34倍に下降しています。
東京都では、国が支援する就学支援金のほかに、東京都が支援する「私立高等学校等授業料軽減助成金」がありますが、「私立高等学校等授業料軽減助成金」は2024年度から所得制限が撤廃され、都内私立高校平均授業料相当額(484,000円)を上限に支援されることになったことが大きく影響しているものと考えられます。
東京都立高校 最終応募状況(全日制)
2025年度 | 2024年度 | 前年との差 | |
---|---|---|---|
卒業予定者数 | 77,856 | 78,108 | -252 |
募集人員(全日制) | 30,078 | 30,343 | -265 |
最終応募人員(全日制) | 38,718 | 42,017 | -3,299 |
最終応募倍率(全日制) | 1.29 | 1.38 | -0.09 |
最終応募倍率 (全日制のうち普通科合計) | 1.34 | 1.45 | -0.11 |
なお、最終応募倍率ごとの高校数を前年度と比較すると、2024年度に最も多かったのは、最終応募倍率が1.20以上1.40未満の高校でしたが、 2025年度は1.40以上1.60未満の高校でした。1.80以上の高倍率校は22校から14校に減少し、一方で1.00未満の高校が8校から25校に大きく増加しています。表に示した7つの倍率帯のうち5つの倍率帯で高校数が減少しており、1.00未満の高校数が大幅に増加していることから、全体的に倍率が低下していることがわかります。
最終応募倍率ごとの高校数(全日制普通科)
最終応募倍率 | 2025年度 | 2024年度 | 前年との差 |
---|---|---|---|
2.00以上 | 5 | 8 | -3 |
1.80以上2.00未満 | 9 | 14 | -5 |
1.60以上1.80未満 | 11 | 16 | -5 |
1.40以上1.60未満 | 28 | 22 | 6 |
1.20以上1.40未満 | 20 | 27 | -7 |
1.00以上1.20未満 | 19 | 22 | -3 |
1.00未満 | 25 | 8 | 17 |
進学指導重点校(7校計)では1.80倍、戸山高校2.09倍、日比谷高校2.00倍
進学指導重点校7校の合計では最終応募倍率が1.80倍、最終応募人員は143人増となっています。大学進学指導や大学合格実績を志望校選択のポイントと考える受験生は例年同様に多いということがわかります。
中でも立川高校は、普通科で15人、2022年度新設の創造理数科で66人の増加となりました。難関国立大学等への進学指導やSSH(スーパーサイエンスハイスクール)としての取り組み、また交通の便の良さなどが要因と考えられます。今年度は、23区内の進学系の指定校(青山高校、西高校、新宿高校など)を希望していた多摩地区の生徒の一部が、高倍率を敬遠して多摩地区の高校(立川高校、国分寺高校など)に戻ってきたようです。
なお、立川高校では創造理数科を第一志望、普通科を第二志望とする受験者のうち、創造理数科で合格とならなかった生徒が普通科の選抜に加わります。そのため、現在の倍率(1.51倍)よりも高倍率(2倍前後)になる可能性もあるため注意が必要です。
進学指導重点校の最終応募状況
高校名 | 学科名 | 募集人員 | 最終応募 人員 | 前年との差 | 最終応募 倍率 |
---|---|---|---|---|---|
立川高校 | 創造理数科 | 35 | 158 | 66 | 4.51 |
戸山高校 | 普通科 | 252 | 526 | 27 | 2.09 |
日比谷高校 | 普通科 | 253 | 507 | 48 | 2.00 |
青山高校 | 普通科 | 221 | 433 | -25 | 1.96 |
西高校 | 普通科 | 252 | 407 | -21 | 1.62 |
国立高校 | 普通科 | 252 | 386 | -7 | 1.53 |
八王子東高校 | 普通科 | 252 | 382 | 40 | 1.52 |
立川高校 | 普通科 | 220 | 333 | 15 | 1.51 |
7校計 | 1,737 | 3,132 | 143 | 1.80 |
普通科では豊多摩高校2.13倍、豊島高校2.12倍、新宿高校は1.94倍だが135人減
まず、表の「前年との差」に注目します。今年度は例年高倍率となる新宿高校(普通科単位制)が135人減、豊島高校が40人減、三田高校が39人減となりました。いずれも前年度までの倍率が高かった高校です。新宿高校は通学区域が広いので、豊多摩高校(67人増)、調布北高校(27人増)、北園高校(15人増)など周辺の高校や一部の私立高校へ分散しているものと考えられます。
次に、倍率に目を向けると、単位制で選択科目が多い芦花高校が2.02倍、近年新校舎ができた神代高校が1.98倍、2023年度から新たに進学指導推進校に指定された上野高校が1.91倍など、学習内容や学習環境などに特色のある高校が高倍率になっています。
入試では高倍率が数年続くとその反動である年度に一気に倍率が下がる(落ち着く)ことがあります。特に新しい校舎や施設ができる場合などは倍率が上昇する時期がありますが、その後は数年間で落ち着いてくることが多いです。近年の新校舎の例としては、過去2年連続で2倍前後の高倍率となった府中高校が69人減・1.38倍に、また前年度は1.70倍と高倍率だった日野高校も71人減・1.42倍に、前年度1.91倍だった城東高校は168人減・1.48倍と落ち着いています。一方で、これから新校舎(仮校舎)の工事が進む調布北高校、武蔵丘高校などは数年後に倍率が上昇する可能性もあります。
なお、最終応募人員が減少しているのに、最終応募倍率が上昇しているケースがあります。これは全体の定員減(1学級減)によるものです。駒場高校37人減・1.92倍(前年度1.83倍)、狛江高校1名減・1.81倍(前年度1.61倍)などがその例です。反対に広尾高校はわずか8名減ですが、1学級増のため1.79倍(前年度2.16倍)と大幅に倍率は下降しています。
コース制は募集人員が少ないので、高倍率になりやすいのが特徴ですが、今年度は、深川高校(普通科外国語コース)が1.70倍と高倍率となりました。普通科で大学進学に対応する幅広い科目を学習しつつ、1年次から、英語合宿をはじめ実践的な英語力、コミュニケーション力などを身につけるための教育活動が充実しているのが特色です。
全日制普通科で最終応募倍率1.7倍以上の高校(単位制・コース制を含む)
高校名 | 学科・コース名 | 募集人員 | 最終応募 人員 | 前年との差 | 最終応募 倍率 |
---|---|---|---|---|---|
豊多摩高校 | 普通科 | 252 | 538 | 67 | 2.13 |
豊島高校 | 普通科 | 252 | 534 | -40 | 2.12 |
戸山高校 | 普通科 | 252 | 526 | 27 | 2.09 |
芦花高校 | 普通科単位制 | 220 | 445 | -10 | 2.02 |
日比谷高校 | 普通科 | 253 | 507 | 48 | 2.00 |
神代高校 | 普通科 | 252 | 499 | 43 | 1.98 |
青山高校 | 普通科 | 221 | 433 | -25 | 1.96 |
新宿高校 | 普通科単位制 | 284 | 551 | -135 | 1.94 |
駒場高校 | 普通科 | 220 | 423 | -37 | 1.92 |
上野高校 | 普通科 | 252 | 481 | -10 | 1.91 |
石神井高校 | 普通科 | 220 | 407 | 34 | 1.85 |
北園高校 | 普通科 | 253 | 465 | 15 | 1.84 |
狛江高校 | 普通科 | 253 | 459 | -1 | 1.81 |
深川高校 | 普通科 | 185 | 335 | 17 | 1.81 |
広尾高校 | 普通科 | 185 | 331 | -8 | 1.79 |
三田高校 | 普通科 | 204 | 354 | -39 | 1.74 |
調布北高校 | 普通科 | 188 | 325 | 27 | 1.73 |
深川高校 | 普通科外国語コース | 56 | 95 | -19 | 1.70 |
立川高校(創造理数科)4.51倍、園芸高校(動物科)2.52倍に
都立高校には立川高校(2022年新設)と科学技術高校(2024年新設)に、創造理数科が設置されています。理数系分野の幅広い素養や科学的に考察・表現し、創造する力などを学ぶ学科ですが、募集人員が少ないため立川高校は4.51倍、科学技術高校は1.95倍と、それぞれ高倍率となりました。ただし、併設されている普通科(立川高校)、科学技術科(科学技術高校)を第2志望として併願することもできるので、説明会等でそれぞれの学科の学習内容の違いをチェックしておくとよいでしょう。
国際高校は2023年度2.85倍、2024年度2.42倍と高倍率が続いたことで、今年度は56人減・1.85倍と落ち着いていますが、来年度以降はまた増える可能性もあります。新しい都立高校として、新国際高校 (仮称)の開設が予定されていますが(年度は未定)、それまでは高倍率が続く可能性があります。
農業に関する学科では、園芸高校(動物科)が2.52倍、瑞穂農芸高校(畜産科学科)が1.80倍となり、今年も動物系の学科が高倍率となっています。その他、充実した体育施設を利用できる駒場高校(保健体育科)2.29倍、日本画、油彩画、彫刻、デザイン、映像の5つの専攻から選択して学習する総合芸術高校(美術科)2.23倍、将来はクリエイターとして活躍することを目指す工芸高校(デザイン科)2.12倍など、特色のある学科には多くの受験生が集まります。1つの学科あたりの募集人員が少なく高倍率となりやすいことから、併願の私立高校や志願変更先となる他の都立高校など、興味・関心が持てそうな他の選択肢も中1・中2から検討しておく必要があると思われます。
全日制専門学科・総合学科で応募倍率1.7倍以上の高校・学科
高校名 | 学科名 | 募集人員 | 最終応募 人員 | 前年との差 | 最終応募 倍率 |
---|---|---|---|---|---|
立川高校 | 創造理数科 | 35 | 158 | 66 | 4.51 |
園芸高校 | 動物科 | 25 | 63 | 10 | 2.52 |
駒場高校 | 保健体育科 | 28 | 64 | 15 | 2.29 |
総合芸術高校 | 美術科 | 56 | 125 | 3 | 2.23 |
工芸高校 | デザイン科 | 25 | 53 | 1 | 2.12 |
府中工科高校 | 情報技術科 | 21 | 42 | 19 | 2.00 |
科学技術高校 | 創造理数科 | 37 | 72 | -5 | 1.95 |
国際高校 | 国際科 | 98 | 181 | -56 | 1.85 |
蔵前工科高校 | 電気科 | 19 | 35 | 11 | 1.84 |
瑞穂農芸高校 | 畜産科学科 | 25 | 45 | 21 | 1.80 |
農業高校 | 食品科学科 | 21 | 36 | 8 | 1.71 |
高校・学科ごとに、募集人員、最終応募人員、最終応募倍率などが一覧で発表されています。
詳しくは、東京都教育委員会のWebサイトでご確認ください。
合格した先輩の体験談、内申点・入試当日点も見ておこう!
進研ゼミ「高校入試情報サイト」では、入試に役立つコンテンツをたくさんご用意しています。ぜひご活用ください。