例年同じ傾向になりますが、2023年度(令和5年度)入試でも、大学進学の指導などに特色ある取り組みをしている高校が高倍率となりました。
進学指導重点校(日比谷高校、青山高校、戸山高校など)や、進学指導推進校(三田高校、豊多摩高校、竹早高校、江北高校など)、進学指導研究校(広尾高校、田園調布高校、目黒高校、石神井高校、府中高校など)さらに特別進学クラスの設置などをしている豊島高校や東高校など、大学進学に対する取り組みに力を入れている高校が高倍率になっています。この傾向は例年と変わりませんが、さらに近年は大学入試改革への対応が充実している高校を選んでいる人も多くなっています。

2022年度(令和４年度)入試から段階的に男女合同定員制への移行をすすめており、2023年度(令和５年度)は男女別の定員を設定している高校の総定員の20%を男女合同で選抜しました。
2024年度以降には推薦選抜も含めて完全に男女合同定員制になる予定となっています。

• 東京都立高等学校入学者選抜における男女別定員から男女合同定員への移行について(PDF)

男女別に定員を設定している高校で、募集人員からみたときの合格者数(合格者数―募集人員)を2022年度、2023年度でみると、男女間で大きく差が開き、女子の合格者数が多くなりました。同じ高校を受験する男女で比較すると総じて女子のほうが内申点が高めの傾向がみられることも、女子の合格者が多くなっている要因の１つと考えられます。
ただし、男女合同での選抜枠は2022年度が10％、2023年度が20％と2022年度に比べて２倍になりましたが、合格人員と募集人員の男女の差は、2022年度から1.65倍と、2023年度は2022年度よりも男女間の差が縮まってきたと言えます。
結局のところ、一般選抜では学力検査点と内申点などの総合成績で合否が決まるので、男女別選抜であろうと、男女合同選抜であろうと、しっかりと内申点を獲得し、学力検査で得点することが大切となります。

都立高校入試は例年厳しい入試となっており、2023年度(令和5年度)も一般選抜(全日制)で、39,608人が受検して29,319人が合格と、1万人以上の不合格者が出る入試となりました。
そのような厳しい入試で合格を勝ち取るためには、入試当日の学力検査でしっかりと得点できる実力をつけると同時に、内申点の確保も重要です。
前記したように推薦選抜も含めて男女合同定員制へとなっていきますので、ますます内申点確保は重要です。都立高校は中3の成績のみが内申点となりますが、中3になってから急に成績を上げるのは難しいものです。中1・2のうちから成績を上げられるように対策をしていきましょう。

都立高校の一般選抜で実施される学力検査は基本的に全校共通の問題ですが、一部の高校で国語・数学・英語を高校ごとに作成した問題で実施します。これらは、共通の問題よりも難度が高く、より思考力・判断力・表現力を問う問題になっています。実施校は進学指導重点校(7校)と、進学重視型単位制高校(3校)の10校です。
このように高校によっては対策が異なることがある都立高校入試だからこそ、仮のものでもいいので、早めに志望校を決めておくことが重要です。まずは憧れでも高望みでもいいので、志望校を決めて、高い目標をもってそれに向かって努力していくようにしましょう。