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【大阪府】公立高校入試「自己申告書」の書き方のコツは?受験者は原則全員提出!
大阪府公立高校入試の出願では、願書のほかに、受験生自身が記入した「自己申告書」を全員提出します。
合格の可能性を少しでも上げるためには、内容をしっかり考えて丁寧に記入した「自己申告書」を出願までに準備しておきましょう。
2025年度(令和7年度)入試の出願受付期間は、特別選抜は2/14(金)・2/17(月)※、一般選抜は3/5(水)、3/6(木)、3/7(金)です。
※特別選抜における音楽科の出願受付期間は2/4(火)、2/5(水)
「自己申告書」は「ボーダーゾーン」の判定時の資料となる
大阪府の公立高校入試は、特別選抜と一般選抜があります。
実技検査を実施する特別選抜、および一般選抜の「ボーダーゾーン」(下図参照)内にいる受験生については、「自己申告書」と内申書の「活動/行動の記録」を資料として、高校の「アドミッションポリシー(求める生徒像)」に極めて合致する人が総合点の順位にかかわらず優先的に合格になります。
面接を実施する特別選抜では、自己申告書は面接の資料になります。
「自己申告書」の書式は?
「自己申告書」は、A4判の両面に記入欄が印刷された1枚の用紙です。
テーマはあらかじめ印刷してあり、そのテーマについて、受験生本人が直筆で記入するかたちです。
文字数は、表面10行、裏面27行で合計37行。1行あたり35字程度で最後の行まで書いた場合、約1300字になります。1300字というと、400字の原稿用紙で3枚ちょっとです。
以下は、2025年度入試の自己申告書の様式のサンプルです。
「自己申告書」は、例年10月中旬ごろに大阪府教育委員会から発表される「大阪府公立高等学校入学者選抜実施要項」に掲載されます。
「自己申告書」の実際の様式は、大阪府教育委員会のWebサイトからダウンロードすることができるので、確認してみましょう。
記入前に各高校の「アドミッションポリシー(求める生徒像)」を確認!
アドミッションポリシーとは、各高校の「入学者の受け入れ方針」で、高校ごとに、ぜひ入学してほしい生徒像の内容を示したものです。
2025年度入試の高校ごとのアドミッションポリシーは、大阪府教育委員会からまとめて7月に発表されています。「自己申告書」を記入する際に、必ず事前に、各高校のアドミッションポリシーを確認しておきましょう。
例として、2025年度入試の生野高校のアドミッションポリシーは以下のような内容です。
本校は、伝統ある校訓五綱領(剛健・質実・自重・自治・至誠)の精神と文武両道の教育方針のもと、豊かな個性の伸張と人間性の尊重、陶冶に努めることにより、高い志を持ち、国家・社会に貢献する気概に満ち、国際人として様々な分野で活躍するリーダーとなる人材育成をめざしています。
1)高い基礎学力と自学自習力を有し、目標を掲げて学業に真摯に取り組む生徒
2)学級活動、行事、部活動等を通して、全方位的に自らの心身を鍛錬し、積極的かつ協働的に取り組む生徒
3)リーダーシップを発揮し、集団をリードして自らの考えを発信できるコミュニケーション力を有する生徒
4)互いの違いを認め合い、国際社会のなかで様々な分野に積極的にチャレンジする気概を持つ生徒
各高校の「アドミッションポリシー(求める生徒像)」は、大阪教育委員会のWebサイトでご確認ください。
アドミッションポリシーと関連づけた自己申告書の上手な書き方
「自己申告書」の記入の仕方は、中学校で指導してもらえる場合も少なくないようですが、短期間で1300字もの文章をまとめるのは大変です。
まずは、次のような項目について、自分ならどんなことが書けるかを考えてみてください。考えたことは箇条書きでもよいので、ノートなどに書き出しておきましょう。
次に、そのノートを見ながら、1300字程度になるように内容を構成し、文章にしてまとめていきます。
中学校等の生活(あるいはこれまでの人生)で印象に残っている経験とそこから学んだこと
学習や部活動、委員会など、中学校や校外で印象に残っている経験や、意欲的に取り組んだ活動について、アドミッションポリシーで挙げられている内容と関連づけて述べましょう。
実績の羅列ではなく、どんな意欲をもって取り組んだかを書くことがコツです。
もし、部活動で入賞などの実績がなかったとしても、どのように頑張ったかなど具体的なエピソードを交えるとよいでしょう。
これまでの経験や学んだことを生かしてどんな高校生活を送りたいか
これまでの経験と関連づけて、入学後にどんな高校生活を送りたいか、ということを、アドミッションポリシーを意識して、具体的に書きましょう。
例えば、アドミッションポリシーで、高校での学業や部活動、探究活動など、さまざまな活動に意欲的に取り組む姿勢が求められている場合、忙しい高校生活の中で、自分がやりたいことにどう取り組んでいくつもりなのか、中学での体験をふまえながら記入するなど、工夫をするとよいでしょう。
学校説明会で実際にその学校に足を運んで得た情報や、高校のパンフレットやWebサイトで調べた情報も参考にして、ほかの学校ではなく、なぜこの学校がよいのかという理由も盛り込みましょう。
自分自身の長所・特徴
アドミッションポリシーに合致している自分自身の長所などについては、具体的なエピソードを交えて書くとよいでしょう。
長所がなかなか思いつかない場合は、家族や友人、先生など周りの人の意見を取り入れるのもおすすめです。
実際に高校に提出する「自己申告書」にいきなり鉛筆で下書きするのではなく、まずは下書き用紙を何枚か用意し、下書き用紙に記入しながら内容や文字の分量を確定させましょう。
下書き用紙は、学校から「自己申告書」の用紙をもらってきている場合はそれをコピーしたり、大阪府教育委員会のWebサイトからダウンロードした「自己申告書」のファイルをプリンターで印刷したりするなどして用意しましょう。
下書きした「自己申告書」は、中学校の先生などに、自分がアピールしたい内容が第三者にも伝わるか、志望校のアドミッションポリシーに合致しているかなどを確認してもらいましょう。
記入する内容や文字の分量が確定したら、実際に高校に提出する「自己申告書」の用紙に、丁寧な字で清書しましょう。
合格枠は少な目だが、合格の可能性を上げるために全力で取り組みたい
2024年度入試において、アドミッションポリシーに極めて合致した合格者数と高校の例(文理学科)を挙げると、天王寺高校5人、生野高校5人、豊中高校4人などです。アドミッションポリシーに極めて合致する受験生がいなかった場合は、この枠の合格者は0人という高校もあります。文理学科の各高校の平均的な募集人員は240~360人程度なので、合格枠としては決して多くはありません。
しかし、自分がボーダーゾーンの対象となった場合に、合格の可能性を少しでも上げるために、「自己申告書」の記入には、手を抜かず全力で取り組みたいものです。
各高校のアドミッションポリシーに極めて合致した合格者数は、大阪府教育委員会のWebサイトでご確認ください。