英語を一緒に楽しむことが、英語力を伸ばす最高のサポート

予習・復習 定期テスト 受験対策

お子さまが中学生になると、本格的に英語を学び始めます。「中学生になったら自分で勉強できる」と思いがちですが、中学生でも学習を進めるうえで保護者の方の声かけやサポートは大切です。ベネッセ教育総合研究所で英語教育の理論や学習について研究してきた成果や中学の先生にうかがったことをもとに、保護者の方におすすめしたい英語学習のサポート術をご紹介します。

大切にしたいのは英語を楽しむこと

大切にしたいのは英語を楽しむこと

まず下のグラフをご覧ください。全国の高1生約971名のうち、英語が「やや苦手」「とても苦手」と回答した538名に、英語を苦手と感じるようになった時期を質問した結果をまとめたものです。このグラフを見ると、高1生で英語が苦手な人は、中1の前半という早い時期に英語に苦手意識を持ち始めていたことがわかります。

高1生の英語学習に関する調査

では、なぜこの時期に英語を苦手と感じ始めるのでしょうか。

大きな理由として、小学校と中学校では英語の学び方が違うことが考えられます。英語で楽しくコミュニケーションを行うことが重視されている小学校とは異なり、中学校の英語では「正確さ」も求められるようになります。英語でコミュニケーションができても、テストでは単語のスペルや文法の間違いで減点されてしまいます。そのため、小学校で英語が好きだったお子さまでも、中学入学後にいきなり苦手になってしまうケースも起こり得るのです。

もちろん、中学で英語を正しく書けることは重要ですが、中学で英語が嫌いにならないためには、中学の英語も小学校で楽しく学んだ英語と同じものなのだと感じることがとても大切になります。

子どもの英語学習に関心をもち寄り添うことで学習をサポート

そこで、私が保護者の方におすすめしたいことは、まず「子どもの英語学習に関心をもつ」ことです。

これは決して、「勉強を促す」「成績推移を細かくチェックする」といった意味ではなく、一言で言えばお子さまに「寄り添う」ことです。保護者の方が、今、お子さまがどんな英語の学習をしているのかを知っておくことは、お子さまのサポートをするうえで重要です。まずは、ぜひお子さまが使う英語の教科書を借りてパラパラめくってみてください。面白そうな題材の文章がたくさん載っているはずです。

特に興味がわいたものについて、お子さまと話してみてはいかがでしょうか。お子さまが「英語の教科書に載っている内容って面白いな」と感じ、「こうやって一緒に教科書の話ができると英語も楽しいな」と思えると、無意識のうちに英語を好きになり、学習意欲を高めることもできると思います。

教科書で見つけた面白い題材について話してみる!

保護者自身が英語を楽しむ姿を見せることも重要

保護者の方とお子さまの英語の学びとの距離が近づけば、「中学生の英語力は『教科書の音読』で伸ばす」(VOL.1)「英語力を伸ばす『正しい音読』のコツ」(VOL.2)の記事に目を通してつかんでいただいたことを、さりげなくアドバイスしていただくこともできるのではないでしょうか。

音読のやり方は重要ですが、お子さまが教科書の英文などを音読されていたら、真剣に取り組んでいることをまずほめてあげることも大切です。

英語が得意な保護者の方は「発音が間違っているよ」などと指摘したくなるかもしれませんが、問題だけを指摘されたのでは、お子さんもやる気をなくしてしまうかもしれません。「もう一度CDを聞いてみたら?CDの音と同じかな?」などとお子さんが「英語の音をよく聞いてみよう」と行動を起こすきっかけをつくってあげてください。

ほかにも、保護者の方が好きな洋楽を一緒に聞いたり、洋画を字幕付きで鑑賞して聞き取れた英語のセンテンスを教え合ったり、J-POPの歌詞に出てくる英語の意味を教え合うなど、英語のコンテンツを通して楽しくコミュニケーションする方法もあります。保護者の方がまず英語を楽しむ姿勢を示せば、自然とお子さまも英語に関心をもち、楽しいと思う気持ちを持てるのではないでしょうか。それがよいサポートなのだと私は考えています。

英語のコンテンツを通して楽しくコミュニケーション

英語学習で大切なのは、「やってみる」ことです。4回にわたる記事でご紹介してきた学習法をお子さまと一緒に実践する中で、英語がどんどん楽しく、身近なものになっていきます。楽しむ気持ちを持ち続ければ、語いや文法の知識をスムーズに吸収しながら、英語力をぐんぐん伸ばしていけます。まずは音読から、英語の楽しさにふれてみてください。

この記事を書いた人

加藤由美子

加藤由美子

ベネッセ教育総合研究所
言語教育研究室室長

ベネッセコーポレーション大阪支社を経て、ベルリッツ・シンガポール学校責任者として駐在。帰国後はベネッセの英語教育事業開発を担当。研究部門では、ベネッセの英語教育カリキュラム開発や、英語教育に関する調査・研究に取り組む。現在は、教科の基盤となる言語教育研究も行う。

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