勉強法

英語力を伸ばす「正しい音読」のコツ

予習・復習 定期テスト 受験対策

英語力を伸ばす方法として中学生におすすめなのが、「教科書の音読」です。ただし、どのように取り組むかで伸び方が大きく変わるのも事実。ベネッセ教育総合研究所で英語教育の理論や学習について研究してきた成果や中学の先生方にうかがったことをもとに、正しい音読の方法をじっくり解説します。

教科書を使った「正しい音読」によって本当の英語力が身につく

英語の教科書の「正しい音読」できていますか?

授業中や復習のときに、教科書を音読する中学生は多いでしょう。しかし、なんとなく声を出して読むだけでは、重要な文法や単語を使った英文が頭に定着せず、音読の効果が十分に得られません。

逆に正しい方法で取り組むことで、定着度は飛躍的にアップし、本当の英語力の基礎となる力が身につきます。

ポイントは、意味を考えながらネイティブスピーカーの音を再現すること

ここからは教科書の1チャプター(1~2ページ分のまとまり)を音読する場合のステップを解説しましょう。

音読の正しいステップ

①意味を考えながら何度も音声を聞く

音読を始める前に大切なことは、英文の意味が理解できるようになっておくことです。そのうえで意味を考えながら聞くことが大切です。

授業で十分に英文を聞く時間がない場合は、教科書の付属CDなどでネイティブスピーカーの話す英語を何回も聞きましょう。

意味がわかっている英語の音声を繰り返し聞くことで、英語の発音やリズム、抑揚が自然と頭に入ります。

②ネイティブスピーカーの発音を再現する

1チャプター全体の音声の意味を考えながら、だいたい聞き取れるようになったら、次はCDで英文を1文ずつまねしながら音読します。

「音声が速すぎる」「発音がわからない」と感じたら、1文ずつ、または1単語でも音声を止めて、音がしっかり言えるようになるまで聞いては声に出します。そうすることで、意味がわかる英文や単語の音がまとまって頭の中で定着します。

発音はもちろんのこと、強調して読む部分や文の区切り、語尾の上げ下げなども含めて、ネイティブスピーカーの発した音声をまるごと再現することを目指して読み上げることが大切です。

強調や音の上げ下げ、区切りは意味とつながっています。つまずくところは、意味を考えながらスムーズに音読できるまで繰り返します。

③全体を音読。暗唱できればベスト

どの文もつまずかずに正しく音読できるようになったら、チャプター全体を、音声を聞かずに音読します。気持ちを込めて読み上げることで、英文の形や単語がさらにしっかり頭に入ります。

何度も音読するうちに、だんだん英文を暗唱できるようになってくるでしょう。最終的には、全文を暗唱できるようになることが望ましいです。

覚えるまで音読できれば、教科書で学習した英文や単語すべてを「聞く・読む・話す」形で身につけたことになるので、そのあとに重要な英文や単語を書けるようにしておけば、定期テストでも高得点が期待できます。十分な音読なしで書く練習をするよりも、はるかに書きやすいことに気づくはずです。

授業の復習として音読をすることが英語力UPの近道

音読は復習で!

今回ご紹介した音読は、授業で英文の意味を理解したあと、復習として取り組めばそれほど難しいことではありません。

「英文の意味を理解したうえで音声を聞く」「正しい音声を自分の口で再現できるようになる」といったポイントを押さえたうえで、中学の授業で理解があやふやなところや自分の弱点を補うつもりで音読に取り組むとよいでしょう。

正しく音読ができれば、英文の意味や形がどんどん頭にしみ込み、「英語がよく聞けて、正しく読めて、英語らしい発音で話す」ことができるようになります。結果的には「書く」ことにもつながり、本当に使える英語力が身についていきます。

編集協力:横堀夏代

この記事を書いた人

加藤由美子

加藤由美子

ベネッセ教育総合研究所
言語教育研究室室長

ベネッセコーポレーション大阪支社を経て、ベルリッツ・シンガポール学校責任者として駐在。帰国後はベネッセの英語教育事業開発を担当。研究部門では、ベネッセの英語教育カリキュラム開発や、英語教育に関する調査・研究に取り組む。現在は、教科の基盤となる言語教育研究も行う。

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