勉強法
成績が上がる暗記勉強法を徹底解説!
受験勉強において一番地道な勉強方法が暗記ですよね。 国語の漢字、英語の単語、理科や社会の用語、数学の解法や公式、すべて暗記です。今回は、「暗記ができない原因、効率的なノートの取り方やアプリ、カードなどを使った暗記勉強法」をわかりやすく解説します。
暗記とは思い出すこと? 記憶のメカニズム
そもそも暗記は、どのように行えば効果的なのでしょうか。
繰り返し学習することで長期記憶に変わる
多くの人が、暗記という学習法を、“インプットだけの学習”と思い込んでいるのではないでしょうか。
暗記(memorization)とは「学んだことを確実に思い出すことができる工程」のことを意味します。
一度にたくさんのことを覚えられない原因は、記憶容量がパンクするのを防ぐために、不要になった記憶が次第に消されてしまうからです。
東京大学医学系研究科の河西教授は、「長期記憶に変えるためには、繰り返し学習を行い『スパイン(神経細胞のつながり)』を大きくすることだ」と語っています。
つまり暗記とは、覚えたことを思い出すための“インプット+アウトプットの学習”なのです。
空間記憶で記憶力を鍛えられる
それでは、記憶が得意な人はどのように脳を使っているのでしょうか。
ロンドン大学がアメリカの記憶コンテストのチャンピオンたちを対象に、「彼らは解剖学的に普通の人の脳と違うのか」という研究をしました。
答えは、「ノー」です。
しかし、彼らは普通の人たちと違う『空間記憶』という脳の部分を多く使っていました。
記憶のチャンピオンたちは「言葉と言葉のつながり」を結びつけることが得意だったのです。
意味を持たない言葉を頭の中にある情報と関連付けることによって、言葉を引き出しやすくします。
このように、人は空間記憶を使って記憶力を鍛えることができます。
言葉に絵や図でイメージを持たせたり、語呂合わせで用語を覚えたりすることが暗記をしやすくするコツなのです。
長期記憶は得点アップのための最短ルート
高校入試を意識した暗記をする
学習指導要領の改訂に伴い、高校入試では「思考力」「表現力」「判断力」が求められる問題が増えてきています。
今までの一問一答のような用語の単純暗記では太刀打ちできません。
暗記をする時は、用語のつながりや背景も理解することが大切です。
長期記憶を鍛えて得点アップ
多くのご家庭から「勉強の仕方がわからない」という質問をよく受けます。
「思考力」「判断力」」「表現力」が問われているといっても、その土台として、中学1年生や2年生の範囲の知識を身につけておくことは必須です。
大切なことは、急に実践や応用問題をやるなど自己流に頼らないことです。
まずは、知識をしっかり身につけること。その際には単純暗記ではなく、つながりや意味を意識して覚えていくことが大切です。
また、学校の課題や小テストにしっかり取り組むことで学んだことを定期的にアウトプットすることができ、入試につながる長期記憶に変えていけます。
さらに、暗記をするときは、「間違えた問題をいかに正解に変えていくか」「どうしたら覚えられそうか」ということを考えながら取り組んでください。
限られた時間の中で効率良く学習するために、日々の学習機会を利用しながらインプット・アウトプットを繰り返すことが得点アップの最短ルートなのです。
効率的な暗記勉強法で効果絶大!
毎日の勉強の中で確実に暗記をするために、暗記ノートの作り方など「効率良く成績が上がる暗記術」をご紹介します。
おすすめは覚えていないところだけ集中暗記
まず、出題範囲を1周して覚えているものと覚えていないものを仕分けし、間違えた問題や単語だけをノートにまとめます。
そして、覚えていないものだけに集中をして、覚えるまでテスト形式で何度も取り組んでください。
繰り返し学習するためにも、最低でも3周行いましょう。赤シートやタイマーを使うなど、工夫して学習することがコツです。
NG暗記学習は一夜漬け!
テスト当日に一気に詰め込もうとしたり、暗記カードやノート作りだけで満足したりしていませんか。
1日で暗記する方法は『ワーキングメモリー』と呼ばれ、学習したことを一時的に保持するだけの暗記方法でよくありません。
暗記は一夜漬けで行うのではなく、テスト範囲が出た時点で開始しましょう。
英単語を100回書くといったやり方も、手の運動になるだけで時間を有効活用できません。作った暗記カードやノートを活用して、テスト形式で学習をしましょう。
【教科別】今日からできる暗記テクニック
国語の暗記
“声に出して読む、覚えながら書く”を中心に学習しましょう。
百人一首や竹取物語などの文学は、筆者の名前や時代も必ずセットで覚えておきます。
数学の暗記
“図や表を一緒に描く、誰かに説明する”を中心に学習しましょう。
公式は、休み時間に友達とクイズ形式で覚えてしまうのがおすすめです。
英語の暗記
“英文を声に出して読む、正しい発音を聞く”を中心にテスト形式で学習しましょう。
英単語を覚えるときは、ローマ字読みではなく正しい発音で覚えましょう。正しい発音で覚えることで、リスニング対策にもなります。
文法や構文は、使いながら覚えることもできるので、あまり時間をかけすぎないように注意してください。
理科の暗記
“図表を理解する、語呂合わせなども使い用語を覚える”ことを中心に学習しましょう。
あらゆる単元で図やグラフもセットで覚えるようにしましょう。
社会の暗記
“ワードツリーを書く、重要なできごとの年号は語呂合わせも使って確実に覚える”ことを中心に学習しましょう。
前後に起こったできごとや因果関係などもあわせて把握しておくと、より記憶に残ります。わからない用語は必ずきちんと意味を調べ、覚えやすいようにノートにまとめておきましょう。
記憶力UPのためのオススメグッズ
暗記学習をより効率良くする「記憶力UPのためのオススメグッズ」をご紹介します。
暗記アプリなどを使う
『進研ゼミ中学講座』の〈定期テスト 楽★暗記アプリ〉(ハイブリッドスタイル)なら、自分のノートを撮影して、簡単に一問一答ができるオリジナル暗記ノートが作れます。また、〈定期テスト暗記BOOK〉は、持ち運びもしやすく、出題頻度が高い用語が厳選されています。『進研ゼミ中学講座』の「定期テスト対策教材」で効率よく暗記を進めましょう。
暗記カードやノートは青ペンで書く
色が脳に与える影響にはさまざまな説がありますが、赤は注意喚起の印象を与えるため、”大事なことを赤ペンで書く”ということは理にかなった行動です。
一方、青はリラックスさせる効果があり、ポジティブな感情を引き出しやすいという研究結果もあります。くりかえし暗記に取り組みたい場合は、やる気を促すという意味でも、青ペンを活用するといいでしょう。
ルーズリーフを使う
作り上げたルーズリーフをポスターのように活用し、部屋に貼っておくこともできます。
英単語を習った単元の順に並べたり、年代を整理するとき後から追加したりすることもできます。ルーズリーフの暗記ノートを作りましょう。