勉強法
【暗記法】4技能を意識した英単語の覚え方
中学英語において最も重要な学習の1つは、英単語の暗記です。英語の4技能が重視されるなか、より豊かな語彙力が求められています。英語の成績アップのためには、どのような英単語の暗記法がよいのでしょうか。今回は、わたしの英語講師の経験をもとに、英単語を覚えることの大切さと覚え方をご紹介します。
英単語暗記をするうえで大切なこと
各学年の重要単元(レッスン)にかかわる英単語を押さえる
中学3年間で習う英単語数は、*1,600~1,800語です。しかし、全部の英単語を完ぺきに覚えることはできません。
英単語を覚える際には、各学年の重要単元(レッスン)にかかわる英単語を押さえて覚えることが大切です。
・中1生
一般動詞の現在形と過去形、名詞の複数形などの英文法を学習するので、名詞、動詞、代名詞、疑問詞を中心に覚えましょう。
曜日や月など重要な名詞は、1学期に学習します。イメージとセットで必ず発音しながら覚えるといいですね。とくに、「Thursday」と「Saturday」は覚えにくいですし、発音も似ているので、テストによく出題されます。
・中2生
助動詞や比較の英文法を学習するので、助動詞、形容詞、副詞を中心に覚えましょう。「must」などの助動詞は、入試に頻出の英単語です。意味や同意表現とセットで必ず覚えるようにしてください。
・中3生
現在完了、受動態の英文法を学習するので、過去分詞、副詞、連語を中心に覚えましょう。「gone」などの過去分詞は、覚えていなければ、問題さえ解くことができないほどの最重要単語です。
*参考:文部科学省 H29年告示 中学校学習指導要領 外国語編より
4技能を意識して「聞く・読む・書く・話す」セットで覚える
近年、「グローバル時代を生き抜く力を育てる」という目標で、「聞く・読む・書く・話す」の4技能を重視した英語教育が行われています。
それに伴い、多くの高校の入試傾向もスピーキングまでを含む入試スタイルに変わってきています。つまり、今までのような「読み書きだけの知識」では、新傾向に太刀打ちできません。入試傾向が変われば、定期テストの傾向も変わっていくでしょう。
それ故に、英語のベースとなる英単語を、4技能を意識して覚えることは、英語で成績アップをするための絶対条件なのです。
英単語が覚えられない? NGな英単語の覚え方
英単語が覚えられない原因は、間違った暗記の仕方をしているからかもしれません。塾講師時代に、英語が苦手な生徒がよくやっていた間違った英単語の覚え方を紹介いたします。
【NGな英単語の覚え方①】ローマ字読みで覚える
「Sunday」を「スンダイ」と覚えた保護者の方もいるのではないでしょうか。このようなローマ字読みの覚え方をする生徒は多くいますが、実はよくありません。このローマ字読みの覚え方は、どうしてするべきではないのでしょうか。
1つは、「Sunday」の「u」を「ア」と発音することを覚えずに、ほかの英単語も、このローマ字読みで覚えようとします。例えば、「uncle」を「ウンクル」、「sun」を「スン」など。
この暗記法を続けていると、本来の発音がわからない状態になってしまい、英語自体に自信を持てなくなってしまうのです。
もう1つは、「リスニング」で聞き取れなくなるということです。「アンクル」と音声で聞こえても、なんの単語なのか認識できないのです。テストでは、「何を言っていたのかわからなかった」という感想だけで終わってしまいかねません。
【NGな英単語の覚え方②】覚えただけで満足する
テストで結果を出すためには、日本語と英語の切り替えがしっかりできるように覚えなければなりません。せっかく難しい英単語を覚えても、すぐに単語の意味が出てこなければ、テストでは意味がないのです。
英単語は、単語の意味だけでなく、使い方までセットで覚えるのが効果的です。教科書を読んだり、自分なりに英作文を書いたりして、英単語をアウトプットする練習もしっかり行いましょう。
4技能「聞く・読む・書く・話す」を意識した効果的な英単語の覚え方
【聞く】発音とつづりをセットで覚える
英単語を覚えるときは、CDや動画などで、ネイティブの音声を聴きながら発音すると効果的です。さらに余力があれば、発音記号も確認して、単語とセットでノートに書くようにしましょう。
発音の規則を学ぶことで、英単語を正しく覚えられます。例えば、「teacher」という単語は、「ea」のスペリングで「イー」([ iː ])と口を横に大きく広げて発音することを覚えましょう。そうすると、「peace」など他の単語に直面したとき、同様に発音できるようになります。
また、発音さえ覚えてしまえば、英単語を聞いただけで、書くこともできるようになります。
【読む】英文のストーリーから覚える
英単語は、英文のストーリーとセットで覚えると、思い出しやすくなります。
通常、英単語を1つずつ訳してから、英文全体のストーリーを理解しようとするでしょう。ただ、もし手元に和訳文もあるのであれば、先に日本語で内容を覚えてしまうのも1つの方法です。
英文の内容を確認してから英単語を覚えるようにすれば、頭の中にある英文のストーリーを想起できるので、英単語の意味も思い出しやすくなります。
【書く】つづりは書いて覚える
高校入試の記述問題では、単語を知っていてもつづりを間違えたら減点または×になってしまいます。正しいつづりを覚えるために、英単語は書いて練習しましょう。
とくに中1生は、4本線のついた英語罫線ノートを使うようにし、アルファベットを正しくきれいに書くように心がけましょう。
【話す】正しい発音で覚える
英語の発音は、カタカナ読みではなく、正しい発音で覚えるようにしましょう。
もしかしたら、中学生にとって、英語の口の形や音は、恥ずかしいかもしれません。しかし、その羞恥心が英語の苦手をエスカレートさせています。
発音の練習は、ネイティブの発音をまねするようにしましょう。とくに、英語のアクセントの位置や、いろんな動詞の過去形に続く-edの発音の違いなどを注意深く聞くようにしましょう。
教科書、辞書、アプリなどをうまく使おう
最後に、さまざまな学習教材を使った英単語の覚え方をご紹介します。ぜひ、自分に合った英単語の暗記法を試してみてください。
教科書を使った英単語の覚え方
教科書の巻末にある英単語の索引を活用するとよいでしょう。教科書の内容に合わせた日本語の意味が記載されているので、単語の活用法とセットで覚えられます。また、教科書の音読や、教科書の端にある英単語を優先して覚えるのも効果的です。
辞書を使った英単語の覚え方
わからない単語が出てきたとき、最初にすることはなんですか。「辞書を引く」と答えた方が正解です。ここで「誰かに聞く」と答えた方は、英語が苦手かもしれません。確かに、辞書を引くのは面倒くさいものです。その手間をかけるのには、きちんと理由があります。
なぜなら、1つの英単語は、状況により意味が変わる場合もあるからです。例えば、「leave」という英単語には、「を出発する」「を残す」などの意味があります。
また、この英単語の発音記号は[ liːv ]です。eaという発音、[ iː ]のように表記できるということがわかりますね。発音記号を同時に覚えていけば、音声がなくても、視覚的に発音がわかるようになります。
さらに、辞書には例文が記載されているので、この英単語がどのような使い方をするのか一緒に学ぶことができます。
このように、辞書を引くことで、より深く英単語を理解することができ、あらゆる問題で応用できるようになります。
単語帳を使った英単語の覚え方
英単語帳には、頻出順に並んでいるもの、品詞別にまとまったものなど多くのバリエーションがあります。
中学生のうちは、定期テストの範囲ごとにまとまった英単語帳を使用するのがよいでしょう。つづりを覚える場合は、必ずテスト形式で書いて覚えるようにしてください。
アプリを活用した英単語の覚え方
アプリは、短時間で多くの英単語を覚えるのに最適な学習ツールです。スキマ時間を使って、何度も繰り返し覚えることができます。アプリは、クイズ形式で答えられるものが多く、ゲーム感覚で楽しく続けられることが魅力ですね。
最近では、選択問題のほかに、指で書いたり、アルファベットの並び替え、穴埋め問題など工夫を凝らした英単語のアプリがたくさんあります。
まとめ:英単語は4技能を意識して効果的に覚えよう
4技能を意識した英単語の覚え方をすることで、高校入試や定期テストに対応する力を養うことができます。
英語が苦手なお子さまにとって、英単語を覚えることは、きついことかもしれません。しかし、覚え方を工夫することによって、楽しく効果的に英単語を覚えることができ、それが自信につながります。英単語への向き合い方が、英語好きへの第一歩です。