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【埼玉県】2026年度(令和8年度):公立高校入試分析―入試結果はどうだった?
埼玉県教育委員会は、2026年度(令和8年度)公立高校入学者選抜一般募集の受検・合格状況を発表しました。学力検査は2月26日(木)、合格者発表は3月6日(金)に行われました。
2026年度(令和8年度)の埼玉県公立高校入試概況についてお伝えします。
志願確定倍率が1.04倍まで下落し過去最低水準、実質公立志願率も62.0%に低下
埼玉県公立高校一般入学者選抜一般募集において、2026年度(令和8年度)の全日制課程の入学許可予定者数は34,603人(前年度35,001人)、志願確定者数は35,976人(前年度38,587人)で、志願確定倍率は1.04倍(前年度1.10倍)となりました。前年度から0.06ポイントの下落で、志願確定者数の前年度差はマイナス2,611人と大幅な減少となっています。
2026年度の県内公立中3生徒数に対する公立高校(全日制)志願者数の割合(実質公立志願率)は62.0%で、前年度の65.9%からさらに3.9ポイント下落しました。2022年度(令和4年度)の67.7%から4年間で5ポイント以上下がったことになります。
受検倍率(実受検者数÷入学許可予定者数)も1.04倍(前年度1.10倍)、実質倍率は1.11倍(前年度1.16倍)といずれも低下しています。当日欠席者数は195人と前年度(92人)から大幅に増加しており、検査当日にほかの進路(主に私立高校)に流れた受検生が増えていることが示されています。欠員募集校については66校・2,275人と前年度(51校・1,857人)から大きく増加しています。
今年度の一般募集における確定志願倍率などの下落要因として、国の「高等学校等就学支援金制度」の大幅拡充が挙げられます。2026年度から所得制限が撤廃されるとともに、私立高校(全日制)への支援上限年額が45万7,200円に引き上げられたことで、私立高校と公立高校の費用差が実質的に縮小しました。埼玉県内私立高校だけでなく、東京都など県外の私立高校へ進学する受検生も増加したものと考えられます。
志願確定者数・入学許可予定者数・志願確定倍率・公立志願率の推移(2022年度~2026年度)
2026年度入試のトレンド―「公立から私立へ」
2026年度入試で最も注目すべき構造変化は、「公立高校から私立高校への流出が目立つ」という現象です。
なかでも、叡明高校や聖望学園高校、山村学園高校、秀明英光高校などは100名を超える応募者数の増加が見られました。これまでの進路希望状況調査などから、例えば叡明高校の場合は川口北高校・川口市立高校・越谷南高校・草加高校・草加南高校・草加東高校といった近隣の高校を検討していたであろう受検生がシフトした可能性が推測されます。いずれも国の就学支援金拡充(2026年度から所得制限撤廃・年間上限45万7,200円に引き上げ)を受けて、費用面の不安が軽減されたことで私立志向が一気に加速した結果と考えられます。
学校選択問題実施校では高倍率が継続―浦和高校(市立)1.92倍、大宮高校理数科2.03倍
学校選択問題実施校(数学・英語の学力検査を学校選択問題で実施する22校)の多くは、公立高校全体の志願者減少傾向のなかでも依然として高倍率を維持しており、受検生の集中が続いています。普通科で最も高い倍率は浦和高校(市立)の1.92倍(前年度1.88倍)でした。大宮高校普通科は1.59倍(前年度1.51倍)と3年連続で倍率が上昇しています。専門学科で最も高い倍率は大宮高校理数科の2.03倍となりました。
| 高校名 | 学科・コース名 | 2026年度 | 2025年度 |
|---|---|---|---|
| 浦和高校(県立) | 普通科 | 1.21 | 1.47 |
| 浦和高校(市立) | 普通科 | 1.92 | 1.88 |
| 浦和第一女子高校 | 普通科 | 1.22 | 1.31 |
| 浦和西高校 | 普通科 | 1.45 | 1.45 |
| 大宮高校 | 普通科 | 1.59 | 1.51 |
| 大宮高校 | 理数科 | 2.03 | 2.23 |
| 大宮北高校 | 普通科 | 1.22 | 1.48 |
| 大宮北高校 | 理数科 | 1.23 | 2.25 |
| 春日部高校 | 普通科 | 1.32 | 1.38 |
| 川口北高校 | 普通科 | 1.04 | 1.28 |
| 川口市立高校 | 普通科 | 1.59 | 1.68 |
| 川口市立高校 | 普通科スポーツ科学コース | 1.66 | 1.43 |
| 川口市立高校 | 理数科 | 1.50 | 1.33 |
| 川越高校(県立) | 普通科 | 1.36 | 1.47 |
| 川越女子高校 | 普通科 | 1.22 | 1.18 |
| 川越南高校 | 普通科 | 1.20 | 1.48 |
| 熊谷高校 | 普通科 | 1.13 | 1.05 |
| 熊谷女子高校 | 普通科 | 1.13 | 1.02 |
| 熊谷西高校 | 普通科 | 1.17 | 1.02 |
| 熊谷西高校 | 理数科 | 0.88 | 0.73 |
| 越ケ谷高校 | 普通科 | 1.27 | 1.35 |
| 越谷北高校 | 普通科 | 1.20 | 1.27 |
| 越谷北高校 | 理数科 | 1.53 | 2.05 |
| 所沢高校 | 普通科 | 1.38 | 1.30 |
| 所沢北高校 | 普通科 | 1.28 | 1.26 |
| 所沢北高校 | 理数科 | 1.83 | 2.08 |
| 不動岡高校 | 普通科 | 1.35 | 1.35 |
| 和光国際高校 | 普通科 | 1.30 | ― |
| 和光国際高校 | 国際科 | 1.16 | ― |
| 蕨高校 | 普通科 | 1.18 | 1.33 |
| 蕨高校 | 外国語科 | 1.23 | 1.43 |
2026年度からの再編・統合―大宮科学技術高校など6校が新規生徒募集開始
埼玉県では「魅力ある県立高校づくり第2期実施方策」に基づく再編・統合が2026年度から本格化し、複数の新設校・改編校が誕生しました。
| 再編前 | 再編後(新校名) |
|---|---|
| 岩槻高校+岩槻北陵高校 | 岩槻高校 |
| 大宮工業高校+浦和工業高校 | 大宮科学技術高校 |
| 生越高校+鳩山高校 | 越生翔桜高校 |
| 秩父高校+皆野高校 | 秩父高校 |
| 八潮高校+八潮南高校 | 八潮フロンティア高校 |
| 和光国際高校+和光高校 | 和光国際高校 |
最も注目される新設校は大宮科学技術高校です。県内初の工業に関する学科と情報に関する学科を併置する専門高校として開校し、情報サイエンス科は一般募集の実質倍率が1.19倍となり、初年度から順調な滑り出しとなりました。
今後も少子化および社会のニーズに対応した特色ある県立高校づくりを推進するための対応として高校の再編・統合が進む見通しです。志望校を検討する際は埼玉県教育委員会のWebサイト等で最新情報を確認するようにしましょう。
変わる2027年度(令和9年度)入試はどうすればいいの?―これから受検予定の方は必読!
2027年度入試から入試制度が変わる!
2027年度の中学3年生が受検する2027年度入試から、埼玉県の公立高校入試制度が大きく変わります。主な変更点は次の5つです。
| 変更点 | 現行制度(~2026年度) | 新制度(2027年度~) |
|---|---|---|
| ①調査書の記載内容 | 9教科評定+特別活動等・出欠の記録・部活動・資格等を得点化 | 9教科5段階評定と「総合的な学習の時間の記録」(部活・資格等の加点なし) |
| ②自己評価資料 | なし | 全受検生が出願時に提出(得点化されない補助資料) |
| ③面接 | 一部の高校・学科等のみ実施 | 全高校・全受検生に実施(各校の設定する得点を加算) |
| ④選抜方式 | 一般募集のみ(学力検査1回) | 共通選抜+特色選抜の2種類(特色選抜は一部の高校・学科等で実施) |
| ⑤学力検査の形式 | 記述・自由記述中心、国語に作文あり | マークシート方式、ただし約1割の記述問題あり |
変更点①②:調査書の様式変更と自己評価資料の提出
部活動・委員会活動・英語検定などの検定取得が調査書の得点に加算されなくなります。代わりに受検生自身が「学校内外での活動や意欲を自らの言葉で表現する」自己評価資料を作成し出願時に提出します。自己評価資料は得点化されませんが、面接の補助的資料として使われます。内申点では中1~中3の9教科の評定のみが対象となる分、1点でも高い内申点を確保しておくことが重要です。
変更点③:全受検生に面接を実施
面接では最初に受検生自身が中学校生活などを振り返り自らの言葉で表現する「My Voice(マイボイス)」の時間が設けられ、続いて面接委員から「なぜそうしようと思ったのか」「ほかの人とどう力を合わせたか」といった質問が行われます。面接は入試の点数に加算されますが、配点としては学力検査が占める割合が高いため、学力重視の姿勢は変わらないことに留意しましょう。
変更点④:特色選抜の導入
高校・学科等の特色に応じた「特色選抜」が一部の高校で実施できるようになります。特色選抜では学力検査・調査書・面接に加え、実技検査や作文(小論文)などの特色検査や傾斜配点が実施できます。各高校・学科等が、選抜を共通選抜のみで実施するか、特色選抜のみで実施するか、共通選抜と特色選抜の両方を組み合わせて実施するかは今後順次公表されます。
変更点⑤:マークシート方式の導入
学力検査問題の約9割にマークシート方式が導入されます。現行の国語の作文問題も出題されない予定です。これまで記述・作文対策に多くの時間を割いてきた受検生は、対策の方向性を見直す必要があります。
2027年度(令和9年度)以降の公立高校入試に向けてやるべきことは?
入試制度変更に向けて今すぐやるべきことは以下の3点です。
優先順位①:9教科の内申点を底上げする
部活・資格等の加点がなくなる分、評定が唯一の調査書の得点となります。定期テスト等に全力で取り組みましょう。
優先順位②:自己評価資料・面接の種をまく
今の活動に「なぜ頑張ることができたか」を言葉にする習慣をつけましょう。急な対策より日常の積み重ねが最大の面接対策となります。
優先順位③:志望校の選抜実施内容を随時確認
特色選抜の実施有無・面接の配点・傾斜配点は高校・学科等ごとに異なります。埼玉県教育委員会のWebサイトを定期的にチェックしましょう。
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