最新入試情報

【大阪府】私立高校授業料無償化で現在中3生の支援内容はどうなる?

2024年度(令和6年度)より、大阪府の私立高校授業料完全無償化をめざす新制度が始まり、2026年度より全学年完全無償化となります。現在中学3年生のみなさんが高校に入学する2025年度の場合について、保護者の負担額がどうなるのか解説します。
現在中学2年生・1年生のみなさんが入学する2026年度以降については別の記事で解説しています。
【大阪府】新制度で現在の中2・中1生は私立高校授業料が完全無償に

2024年度・2025年度は入学年度で支援内容が異なる

段階的に進められる新制度は、生徒・保護者がともに大阪府内に在住し、「就学支援推進校」の指定を受けた大阪府内の私立高校に在学の場合、国の就学支援金に府独自の「授業料支援補助金」が上乗せされます。2024年度と2025年度は経過措置期間のため、支援内容が異なりますので、確認しておきましょう。

入学年度ごとの私立高校等の授業料無償化制度の適用時期と内容
入学年度(現学年) 適用時期と内容
2024年度入学(現高1) 高校1年生時:年収や子どもの人数により支援内容が異なる
高校2年生時:授業料63万円まで無償
高校3年生時:無償
2025年度入学(現中3) 高校1年生時:年収や子どもの人数により支援内容が異なる
高校2年生時から:無償
2026年度以降入学(現中1・2) 高校1年生時から:無償

現在中学3年生 2025年度入学の場合の学費はどのくらいになる?

現在中学3年生が高校に入学する2025年度は経過措置期間の支援内容で、高校2年生になる2026年度からは私立高校授業料完全無償化になり、保護者の授業料負担はなくなります。

入学する2025年度 高校1年生時の支援内容

2025年度は経過措置期間のため、下の表のように世帯年収や子どもの人数によって保護者負担額が異なり、年収目安910万円未満世帯が対象となります。生徒・保護者がともに大阪府内に在住し、「就学支援推進校」の指定を受けた大阪府内の私立高校に在学の場合、国の就学支援金に府独自の「授業料支援補助金」が上乗せされます。
例年6月に決定される保護者の課税情報をもとに所得要件を判定し、補助金額を決定するため、入学時はいったん授業料を納める必要がある場合があるため、入学前に準備しておくことが必要です。

2025年度授業料年収(めやす)別の保護者負担額
授業料 世帯の子どもの人数 590万円未満 590~800万円 800~910万円 910万円以上
60万円まで 1人 無償
(保護者負担なし)
20万円 最大48万円
(国の就学支援金のみ)
保護者が負担
2人 10万円 30万円
3人 無償
(保護者負担なし)
10万円
60万円を
超える分
全世帯
(世帯の子どもの人数に関係なし)
無償
(保護者負担なし)
保護者が負担

現中3生は高2・3で授業料は完全無償化に

現在の中学3年生が高校2年生になる2026年度より私立高校の授業料は完全無償化になるため、保護者の授業料負担はなくなります。では3年間で必要な学費はどのくらいになるのか、生徒本人を含めて2人の子どもを扶養する世帯の年収目安別で試算してみました。文部科学省「令和4年度私立高等学校(全日制)の初年度授業料等について」をもとに、入学金192,547円、施設整備費等34,919円、授業料594,431円で算出しています。

【大阪府】2022年度私立高校等の初年度納付金平均額
授業料 入学料 施設整備費等
594,431円 192,547円 34,919円 821,897円
世帯年収目安590万円未満の場合
学年(年次) 1年次 2年次 3年次
入学金 192,547円 - -
施設整備費等 34,919円 34,919円 34,919円
保護者授業料負担額 無償 無償 無償
1年間の実質負担額 227,466円 34,919円 34,919円
3年間の実質負担額 297,304円
世帯年収目安590~800万円未満の場合
学年(年次) 1年次 2年次 3年次
入学金 192,547円 - -
施設整備費等 34,919円 34,919円 34,919円
保護者授業料負担額 100,000円 無償 無償
1年間の実質負担額 327,466円 34,919円 34,919円
3年間の実質負担額 397,304円
世帯年収目安800~910万円の場合
学年(年次) 1年次 2年次 3年次
入学金 192,547円 - -
施設整備費等 34,919円 34,919円 34,919円
保護者授業料負担額 300,000円 無償 無償
1年間の実質負担額 527,466円 34,919円 34,919円
3年間の実質負担額 597,304円
世帯年収目安910万円以上の場合
学年(年次) 1年次 2年次 3年次
入学金 192,547円 - -
施設整備費等 34,919円 34,919円 34,919円
保護者授業料負担額 594,431円 無償 無償
1年間の実質負担額 821,897円 34,919円 34,919円
3年間の実質負担額 891,735円

授業料などの学費以外にかかる費用にも注意

高校では、制服代、教科書代、PTA会費、修学旅行のための積立金、部活動費などの費用もかさみます。高校によって、制服代が10万円以上、修学旅行代が20万円以上する場合もあります。入学が決まってから慌てないように、事前にしっかり確認しておきたいポイントです。

また、私立高校には、「特待生制度」や「奨学金制度」を設けている高校もあります。成績や収入の条件などが前提になる場合がありますので、これらも各高校のWebサイトで調べたり、学校説明会などで確認したりしておきましょう。

「奨学給付金」制度

授業料以外の費用については、無償化の対象にはなりませんが、教育費を支援するために低所得者世帯を対象に「奨学給付金」制度があります。「給付」なので返済の必要がありません。世帯状況と給付額は以下のとおりですが、各都道府県において制度の詳細は異なります。詳細はお住まいの都道府県にお問い合わせください。

奨学給付金 2024年度(令和6年度)の給付額
世帯状況私立給付額(年額)
生活保護受給世帯【全日制等・通信制】52,600円
非課税世帯【全日制等】(第1子)142,600円
非課税世帯【全日制等】(第2子以降)
※15歳以上23歳未満の兄弟姉妹がいる場合
152,000円
非課税世帯【通信制・専攻科】52,100円

「家計急変への支援」制度

その他の修学支援策として、失職・倒産等による「家計急変への支援」もあります。
保護者の失職、倒産などの家計急変により収入が激減し、低所得となった世帯に対し、収入の変動が就学支援金の支給額に反映されるまでの間、就学支援金と同等の支援を行う制度です。
なお、各都道府県において、制度の詳細は異なりますので、具体的な要件、手続等については、進学先(在籍する)の学校または学校の所在する都道府県へお問い合わせください。

この記事を書いた人

大阪府入試分析担当

進研ゼミ『中学講座』

大阪府の高校入試分析を担当しています。進研ゼミのサービスをフル活用して志望校に合格できるよう、受験生と保護者に役立つ情報を提供していきます。

最新入試情報(大阪府)

特集