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【埼玉県】2024年度 公立高校入学者選抜結果 全体実質倍率は緩和傾向

2024年度(令和6年度)の埼玉県公立高校入試の結果についてお伝えします。

【埼玉県】2024年度 公立高校入学者選抜結果 全体実質倍率は緩和傾向

募集人員減少で全体実質倍率下げ止まり

埼玉県公立高校入学者選抜においては、近年、実質倍率が下降傾向となっていましたが、2023年度の1.14倍で下げ止まり、2024年度は1.15倍と若干上がりました。これは、ここ数年、募集人員が減少しているためです。
今後、埼玉県公立中学校卒業者数は減少することが見込まれているため、募集人員はさらに見直しされる可能性がありますし、時代の要請に応えられる創造性豊かな人材を育成するため、各高校の特色化を図り、それぞれの高校のブランド力を高める必要性から、魅力ある県立高校づくりとともに統合が検討されています。
2024年度入試においては、魅力ある県立高校づくり第2期実施方策に伴う募集停止や募集人員の見直しで、総計で1,000人の募集人員削減となりました。反対に募集人員が増加学校は4校200人にとどまり、差し引き800人の募集人員減となっています。
2023年度入試においても、前年に比べて募集人員が719人減少しています。このように募集人員を減少させることで受検者数が少なくなっても倍率が維持されている状況です。

埼玉県公立高校入学者選抜実質倍率および県内公立中学校卒業者数等

魅力ある県立高校づくり第2期実施方策に伴う変更は、2026年度(令和8年度)入試においても、和光国際高校、岩槻高校、秩父高校、越生高校、八潮南高校、大宮工業高校の募集停止、新校での募集開始が予定されています。
このように全日制課程全体での実質倍率は、募集人員の状況によっても変化します。

人文科、国際文化科、映像芸術科の倍率が復活

コロナ禍では、外に出て活動する学科や、人と会う機会が多い学科などは避けられる傾向がありましたが、新型コロナウイルス感染症が収束し、ようやく志願者が戻ってきている様子です。今後は学校生活も以前のようにさまざまなことにチャレンジできるようになることが予測されます。ぜひ行きたい学科を志望校に定め、合格できるように頑張っていきましょう。

学科・系別 実質倍率一覧
学科・系名実質倍率2023と2024の差異
2024年度2023年度2022年度2021年度2020年度
普通科1.171.171.161.151.160.00
総合学科1.081.011.041.021.080.07
農業科1.021.011.011.011.030.01
工業科1.031.021.031.021.040.01
商業科1.101.021.051.031.080.08
家庭科1.041.071.011.061.00-0.03
看護科1.141.031.191.211.080.11
外国語科1.311.191.231.231.260.12
美術科1.271.361.061.231.36-0.09
音楽科1.001.001.001.001.000.00
書道科1.030.920.921.001.100.11
体育科1.031.061.001.061.10-0.03
理数科1.581.711.751.821.57-0.13
福祉科1.001.001.001.000.880.00
人文科1.180.860.710.551.000.32
国際文化科1.481.131.001.081.050.35
映像芸術科1.251.051.351.101.380.20
舞台芸術科0.970.970.970.971.380.00
生物系・環境系1.091.251.041.041.07-0.16

最高倍率は専門学科で大宮高校の理数科 2.07倍、普通科は浦和高校(市立) 1.68倍

浦和高校(市立)は、高倍率が続いたため、今年、実受検者数が大幅に減ったものの、少なくとも2021年度入学者選抜以降普通科では常に最高倍率となっています。2023年度倍率2位の川口市立高校の普通科は、高倍率が続いたことから敬遠され今年はTOP10にも入りませんでした。このように前年度と比べて受検者が大幅に減ると倍率は下がりますが高倍率が維持されることもあります。高倍率だからという理由だけでその高校の受検者層レベルが急に高くなるわけではありません。倍率が高いことだけで志望校を諦めずにすむように、1点でも多く点数を取れる実力をつけていきましょう。

普通科(コース含む)実質倍率TOP11
高校名・コース名実受検者数入学許可候補者数2024年度倍率2023年度倍率2022年度倍率2021年度倍率
浦和高校(市立)4152471.682.132.061.84
川口市立高校・
スポーツ科学コース
131801.641.551.251.50
川越高校(市立)2081401.491.341.461.62
蕨高校4733181.491.331.471.36
春日部高校5283581.471.291.241.27
和光国際高校3472381.461.431.421.14
川口北高校5213601.451.271.241.04
川越高校(県立)5213621.441.381.411.35
浦和西高校5053581.411.431.541.37
越谷南高校4493181.411.431.391.26
所沢高校5043581.411.321.291.22

専門学科は、募集人員が少ない学科が多く、倍率が高く出ることがあります。複数学科設置校の中には第2志望を認めている高校があります。そのような場合は第1志望の学科で出願し、第1次選抜で入学許可候補者とならなかった場合、第2次選抜で第2志望の学科でも合格判定をしてもらえるため、募集人員が少なくても第1志望学科として志願者が集まる傾向にあります。
普通科と組み合わせて専門学科を志望する場合はカリキュラムの違いを確認しましょう。専門学科はその学問を専門に行うため、普通科とはカリキュラムが異なり、その学科ならではの学習が増えてきます。例えば、理数科は、数学や理科系の授業が多めになるなどです。第2志望で選択できるから、ということだけではなく、本当にその学科の学習がしたいのか?を考えて出願するようにしてください。

専門学科 実質倍率TOP10
高校名学科実受検者数入学許可候補者数2024年度倍率
大宮高校理数科85412.07
大宮北高校理数科76421.81
川越高校(市立)国際経済科116701.66
大宮光陵高校美術科65401.63
松山高校理数科63401.58
川口市立高校理数科64411.56
岩槻高校国際文化科59401.48
和光国際高校外国語科116791.47
南稜高校外国語科60411.46
春日部女子高校外国語科58401.45

学校選択問題実施校では高倍率校が続出

埼玉県公立高等学校入学者選抜の学力検査において、数学および英語の学力検査問題を「学校選択問題」で実施する高校を学校選択問題実施校と呼びますが、全部で22校あります。どの高校も、共通問題より、思考力が問われる問題を解ける生徒を求めており、大学進学対策にも力を入れている高校のため、志願者も多く、倍率が高めです。先ほど、普通科や専門学科で倍率が高いと紹介した高校の多くが学校選択問題実施校となっています。志願倍率が高いと感じる人が多い場合、志願変更でほかの高校へ変更することで実質倍率が落ち着く高校もありますが、反対に志願倍率が低いと志願変更で他校から志願者が増え、実質倍率では上がるという高校もあります。
学校選択問題実施校をめざす場合は、共通問題で実施される国語・理科・社会の過去問対策の他に、英語・数学は学校選択問題で過去問対策をしなければなりません。そのため、中3の早いうちから志望校を定め、対策を始めることをお勧めします。

学校選択問題実施校倍率一覧
高校名学科
コース系
実質倍率志願倍率
浦和高校(県立)普通科1.271.38
浦和高校(市立)普通科1.681.75
浦和第一女子高校普通科1.291.37
浦和西高校普通科1.411.43
大宮高校普通科1.321.41
理数科2.072.48
大宮北高校普通科1.351.39
理数科1.811.98
春日部高校普通科1.471.50
川口北高校普通科1.451.47
川口市立高校普通科1.261.26
スポーツ科学コース1.641.64
理数科1.561.65
川越高校(県立)普通科1.441.47
川越女子高校普通科1.291.30
川越南高校普通科1.381.39
熊谷高校普通科1.101.11
熊谷女子高校普通科1.000.99
熊谷西高校普通科1.161.17
理数科1.341.43
越ケ谷高校普通科1.371.39
越谷北高校普通科1.141.16
理数科1.411.53
所沢高校普通科1.411.43
所沢北高校普通科1.091.11
理数科1.301.35
不動岡高校普通科1.331.33
和光国際高校普通科1.461.46
外国語科1.471.48
蕨高校普通科1.491.50
外国語科1.341.40

中学3年生の進学希望先に変化が!

中学3年生の10月時点における進路希望状況を1993年から見てみると、2015年以降と全日制高校および県内全日制公立高校進学希望者が減り始めています。これに対し、県内全日制国・私立高校進学希望者数は2000年ごろから緩やかに増えていることがわかります。公立高校進学希望から私立高校希望へと変わっている状況が続いていました。

中学3年生進路希望状況

近年の傾向では、通信制高校進学希望者数が2016年から大きく増え始め、1993年の105人から2023年までに約28倍の2,908人まで増加しています。特に2016年ごろから魅力的な幅広い選択肢が提示されたことにより、通信制高校を選択する生徒が増加しつつあると思われます。さらに2020年以降はコロナ禍を経て、通学ではなく、通信制を選択肢に考えるご家庭も増え、大幅に通信制高校進学希望者数が伸びています。今は魅力あるカリキュラムを提供する通信制高校も増えています。選択肢のひとつとして検討してみてはいかがでしょうか。

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※この記事でとくに記載のない内容は、埼玉県公立高校の全日制入学者選抜について解説しています。
※この記事でととくに記載のない年度は「入試年度」です。

この記事を書いた人

埼玉県入試分析担当

埼玉県入試分析担当

進研ゼミ『中学講座』

埼玉県の高校入試分析を担当しています。進研ゼミのサービスをフル活用して志望校に合格できるよう、受験生と保護者に役立つ情報を提供していきます。

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