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【神奈川県】私立高校の学費と私立高校授業料の実質無償化

私立高校の授業料などの学費は年間でいくらぐらいかかるのか、また国の就学支援金の内容や県独自の補助金など、保護者が気になる学費について解説します。公立高校が第一志望で私立高校を併願する方も必見です。(2024年5月24日現在の情報となります)※全日制高校の情報となります。

神奈川県独自の制度により年収700万円未満世帯まで授業料46.8万円の支援

神奈川県では、国の就学支援金制度が大幅に拡充されることに伴い、2020年度より、独自の授業料補助制度を年収目安750万円未満の世帯まで拡大しました。

国の就学支援金は、全国私立高校の平均授業料を勘案した額(39万6千円)が上限ですが、神奈川県独自の補助金制度で、上限を46万8千円まで引き上げました。また、年収目安700万円以上910万円未満の23歳未満の子どもが3人以上いる多子世帯にも、上限46万8千円の学費補助が行われます。県独自の制度は、県内在住でかつ県内設置の私立高校に在学する場合のみ申請できます。県外の高校に進学した場合には、国の就学支援金のみの適用になります。

詳細は、神奈川県Webサイト福祉子どもみらい局のページでご確認ください。

さらに入学金も21.1万円まで補助

神奈川県では、年収目安270万円未満の世帯には、211,000円(上限額)が補助されます。年収目安が270万円以上で、750万未満の世帯では、10万円が上限となります。

神奈川県私立高校の初年度納付金

私立高校の学費のうち、おもなものは授業料と施設整備費等です。また初年度は入学料(入学金)も必要です。

【神奈川県】2022年度(令和4年度)私立高校等の初年度納付金平均額(円)
授業料
(A)
入学料
(B)
施設整備費等
(C)

(A+B+C)
464,665210,961273,000948,627

また、私立高校を受験する場合、「入学手続時納入金」の支払いを、公立高校の合格発表後まで待ってもらえる延納制度があるかないかも、重要です。
気になる高校の学費、延納制度を高校のWebサイトで確認しておきましょう。

実際の負担はどれぐらいになるのか試算してみましょう

では、就学支援金を受給できた場合、学費の負担は年間でいくらぐらいになるのかを、私立高校の入学金、施設整備費等、授業料の都道府県別の平均額をもとに算出してみました。

世帯年収の目安270万円未満
学年(年次)1年次2年次3年次
入学金(円)210,961--
施設整備費等(円)273,000273,000273,000
授業料(円)464,665464,665464,665
納入金額の合計(円)948,627737,665737,665
国の就学支援金支給額(円)-396,000-396,000-396,000
県の授業料補助額(円)-68,665-68,665-68,665
県の入学金補助額(円)-210,961
1年間の実質負担額(円)273,001273,000273,000
3年間の実質負担額(円)819,001
世帯年収の目安270~590万円未満
学年(年次)1年次2年次3年次
納入金額の合計(円)948,627737,665737,665
国の就学支援金支給額(円)-396,000-396,000-396,000
県の授業料補助額(円)-68,665-68,665-68,665
県の入学金補助額(円)-100,000
1年間の実質負担額(円)383,962273,000273,000
3年間の実質負担額(円)929,962
世帯年収の目安590~700万円未満
学年(年次)1年次2年次3年次
納入金額の合計(円)948,627737,665737,665
国の就学支援金支給額(円)-118,800-118,800-118,800
県の授業料補助額(円)-345,865-345,865-345,865
県の入学金補助額(円)-100,000
1年間の実質負担額(円)383,962273,000273,000
3年間の実質負担額(円)929,962
世帯年収の目安700~750万円未満
学年(年次)1年次2年次3年次
納入金額の合計(円)948,627737,665737,665
国の就学支援金支給額(円)-118,800-118,800-118,800
県の授業料補助額(円)-74,400-74,400-74,400
県の入学金補助額(円)-100,000
1年間の実質負担額(円)655,427544,465544,465
3年間の実質負担額(円)1,744,357
世帯年収の目安700~750万円未満(多子世帯)
学年(年次)1年次2年次3年次
納入金額の合計(円)948,627737,665737,665
国の就学支援金支給額(円)-118,800-118,800-118,800
県の授業料補助額(円)-345,865-345,865-345,865
県の入学金補助額(円)-100,000
1年間の実質負担額(円)383,962273,000273,000
3年間の実質負担額(円)929,962
世帯年収の目安750~910万円未満
学年(年次)1年次2年次3年次
納入金額の合計(円)948,627737,665737,665
国の就学支援金支給額(円)-118,800-118,800-118,800
1年間の実質負担額(円)829,827618,865618,865
3年間の実質負担額(円)2,067,557
世帯年収の目安750~910万円未満(多子世帯)
学年(年次)1年次2年次3年次
納入金額の合計(円)948,627737,665737,665
国の就学支援金支給額(円)-118,800-118,800-118,800
県の授業料補助額(円)-345,865-345,865-345,865
1年間の実質負担額(円)483,962273,000273,000
3年間の実質負担額(円)1,029,962

3年間の実質負担額のイメージがわいてきたでしょうか。

授業料などの学費以外にかかる費用にも注意

高校では、制服代、教科書代、通学費、PTA会費、修学旅行のための積立金、部活動費などの費用もかさみます。高校によって、制服代が10万円以上、修学旅行代が20万円以上する場合もあります。入学が決まってから慌てないように、事前にしっかり確認しておきたいポイントです。

また、私立高校には、「特待生制度」や「奨学金制度」を設けている高校もあります。成績や収入の条件などが前提になる場合がありますので、これらも各高校のWebサイトで調べたり、学校説明会などで確認したりしておきましょう。

「奨学給付金」制度

授業料以外の費用については、無償化の対象にはなりませんが、教育費負担を軽減するために低所得者世帯を対象に「奨学給付金」制度があります。「給付」なので返済の必要がありません。世帯状況と給付額は以下のとおりですが、各都道府県において制度の詳細は異なります。詳細はお住まいの都道府県にお問い合わせください。

奨学給付金2024年度(令和6年度)の給付額
世帯状況私立給付額(年額)
生活保護受給世帯【全日制等・通信制】52,600円
非課税世帯【全日制等】(第1子)142,600円
非課税世帯【全日制等】(第2子以降)
※15歳以上23歳未満の兄弟姉妹がいる場合
152,000円
非課税世帯【通信制・専攻科】52,100円

「家計急変への支援」制度

その他の修学支援策として、失職・倒産等による「家計急変への支援」もあります。
保護者の失職、倒産などの家計急変により収入が激減し、低所得となった世帯に対し、収入の変動が就学支援金の支給額に反映されるまでの間、就学支援金と同等の支援を行う制度です。
なお、各都道府県において、制度の詳細は異なりますので、具体的な要件、手続等については、進学先(在籍する)の学校または学校の所在する都道府県へお問い合わせください。

この記事を書いた人

神奈川県入試分析担当

進研ゼミ『中学講座』

神奈川県の高校入試分析を担当しています。進研ゼミのサービスをフル活用して志望校に合格できるよう、受験生と保護者に役立つ情報を提供していきます。

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