警察犬訓練士
警察犬訓練士の仕事内容は?
警察犬の種類は2つある
国内の犯罪のニュースで、捜査活動に警察犬が活躍したり、手柄を表彰されたりするのを新聞やテレビで見たことがあるかもしれません。
これらの警察犬には、各都道府県の警察が直接飼育して訓練している犬と、一般の人が飼育して訓練している犬とがいます。
警察が飼育している犬を「直轄(ちょっかつ)警察犬」と言い、一般の人が飼育して訓練する犬を「嘱託(しょくたく)警察犬」と言います。
嘱託というのは「頼んで任せる」という意味で、嘱託警察犬とは、事件があったときに警察から依頼され、捜査を手伝います。
各都道府県警察では、毎年審査会を開き、嘱託(しょくたく)警察犬を選考しています。
警察犬の犬種
現在は7種の犬種が日本警察犬協会で「警察犬」と認められています。
◯ シェパード
◯ ドーベルマン
◯ コリー
◯ ボクサー
◯ エアデール・テリア
◯ ラブラドール・レトリーバー
◯ ゴールデン・レトリーバー
それ以外にはトイプードル、チワワ、ダックスフンドなど小型犬も嘱託警察犬として認定されて活躍しています。
1.警察犬の訓練を行う
警察犬訓練士の主な仕事は、警察犬候補となる犬たちにマンツーマンで訓練を行うことです。
訓練を始めたばかりの犬には、人間との主従関係をつくる「服従訓練」から始めます。
そして段階を踏んで、嗅覚を使った「足跡追及」「臭気選別」「犯人襲撃や警戒」の訓練に移行していきます。
犬は嗅覚が非常に優れていますが最初からニオイを嗅ぎ分けて人に知らせたり、人の足跡を追及したりはできません。
訓練士が地道に繰り返し教えることで、犬は一つひとつ捜査に役立つ技を覚えていきます。
警察犬訓練士は、既に警察犬に認定された犬に対しても、警察からの出勤要請にいつでも対応できるように、日頃から地道な訓練を続けています。
2.警察犬のお世話全般をする
犬の世話も訓練士の大切な仕事の1つです。
食事を与えたり、犬の排便の様子で体調を判断したり、犬舎や訓練所内の掃除を行って清潔な状態に保っています。
3.ペットを対象に訓練する
警察犬だけでなく、一般家庭のペットの犬のしつけを委託されることもあります。
ペットのしつけは、教室や自宅を訪問して行う「出張訓練」、訓練所で預かってしつける「預託(よたく)訓練」の2通りがあります。
警察犬訓練の合間に、それらの一般家庭のペットの犬たちの訓練を行うことも、警察犬訓練士の大切な仕事です。
警察犬訓練士のやりがい
警察犬は日々誰かの命を救ったり、犯人逮捕に貢献したりと活躍しています。
警察犬訓練士にとって、犬をそこまで訓練するのは決して簡単なことではありません。
だからこそ自分の育てた犬が功績をあげると、大きなやりがいを感じるのです。
警察犬訓練士はどんな働き方をするの?
警察犬訓練士は警察官として働く
警察署で飼育する「直轄警察犬」の訓練士は、警察官です。
勤務時間や給与水準は警察官の規定に定められた通りになります。
一方、嘱託(しょくたく)警察犬訓練士は、見習い時代は住み込みや寮で働き、犬一頭一頭の性格や、生態、訓練の方法を先輩から学んでいきます。
見習い期間は働くという形を取るので学費はかかりませんが、あまり高い給料を期待できないようです。
しかし経験を積んで優秀な訓練士になることで重宝されて待遇も上がっていくようです。
また優秀な警察犬を育てれば、自分で訓練所を開業したりすることも可能になります。
警察犬訓練士はどんな人に向いているの?
警察犬訓練士は犬への愛情が大きい人
犬が大好きで愛情があること
警察犬訓練士にとって何よりも重要なのは、犬への愛情です。
犬は相手の感情を見抜く動物で、犬が苦手な人や嫌いな人には心を開いて従ってくれません。
根気強さ
警察犬の訓練は、かわいいからといって甘やかすことはできません。
ペットではないので確実に指示に従わせなくてはなりません。
それには1頭1頭の性格をつかんで一つひとつのスキルを根気強く繰り返し教える必要があります。
体力
また犬のお世話や訓練には体力が必要です。
見習い期間中は住み込みで朝早くから働くことになります。
社交性
警察犬訓練士は、警察犬だけでなく、一般のお客さまのペットをしつけたり、出張してトレーニングを行ったりします。
犬だけでなく人に対しても明るく接することのできる社交的な人が向いています。
警察犬訓練士の将来展望は?
警察犬訓練士の将来展望 高い専門性から他に代替できない職種
警察犬は、人命救助や犯人逮捕に欠かせない存在です。
人間だけでは不可能な捜査が警察犬の力でできます。
優秀な警察犬を育てるには、犬の習性を熟知している訓練士が必要不可欠です。
警察犬訓練士の仕事は高い専門性が求められ、将来的にもロボットに代替しづらい仕事といえます。
警察犬訓練士にはこうすればなれる!
警察犬訓練士は、「直轄警察犬」の訓練士か「嘱託(しょくたく)警察犬」の訓練士の2つがあります。
「直轄警察犬」の訓練士になるには?
警察で飼育する直轄警察犬の訓練士になるには、公務員試験に合格し、警察官になることが必要です。
そして鑑識課に配属されることが必須条件です。
しかし警察官採用試験に合格しても、必ず鑑識課に配属されるかどうかはわかりませんし、希望がかなって警察犬訓練士になれた場合でも数年間で別の部署に移動することになります。
警察官には興味がなく、「警察犬訓練士」だけをめざす人には、「直轄警察犬訓練士」はおすすめできない進路です。
でも警察官を志望していて、警察犬訓練士にも興味のある人なら公務員試験合格をめざしましょう。
(※警察官のなり方は「警察官」のページを参照してください。)
「嘱託警察犬」の訓練士になるには?
「警察犬訓練士」をめざすなら、「嘱託(しょくたく)警察犬」の訓練士になる方法がおすすめです。
嘱託の警察犬訓練士になるには、民間の警察犬訓練所で、「見習い訓練士」として働きながら、実際の訓練方法や犬についての知識を学ぶのが一般的です。
そして訓練士の資格「公認訓練士」を取得して、一人前の訓練士をめざすことになります。
民間の「公認訓練士」資格
現在、日本で公認訓練士の資格試験を実施している協会は
公益社団法人日本警察犬協会一般社団法人ジャパンケネルクラブ(家庭犬)一般社団法人日本シェパード犬登録協会の3協会になります。
各協会の「公認訓練士」の規定条件を満たした人を「公認訓練士」といいます。
実際に警察犬訓練士としてデビューするには、以下の「公認訓練士」資格のいずれかを取得したあと、各都道府県警察の行う嘱託警察犬の審査に、犬と一緒に参加して合格することが必要です。
●日本警察犬協会「公認訓練士」
三等訓練士からスタートして、二等訓練士、一等訓練士、一等訓練士正、そして最高位の一等訓練士長の5つの階級に分けられ、三等訓練士から順次昇格していきます。
「公認訓練士」になるには、「三等訓練士試験」に合格することが必要です。
●ジャパンケネルクラブ「公認訓練士」
「訓練準士補」「訓練士補」から始まり「訓練練士」「訓練教士」「訓練範士」「訓練師範」とレベルアップします。
●日本シェパード犬登録協会「公認訓練士」
「三等訓練士」からスタートして「二等訓練士」「一等訓練士」「準師範」「師範」と昇格していきます。
警察犬訓練士に役立つ学校は?
警察犬訓練所の入所は学歴不問ですが、高校を卒業後、ドッグトレーナーなどの課程を持つ専門学校で学ぶことで、訓練所への入所が有利になる可能性はあります。
専門学校のオープンキャンパスや説明会で、卒業生の進路に「警察犬訓練士」があるかなど聞いてみることをおすすめします。
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