ピアノ調律師

ピアノ調律師の仕事内容は?

ピアノ調律師とは?


ピアノ調律師は、アコースティックピアノの音程や音色を整えてよいコンディションにする技術者です。
ギターやバイオリンなどの弦楽器は、演奏者が自分で弦をチューニングできますが、ピアノは複雑な構造を持った楽器のため、専門の「調律師」が必要です。
調律師が調律を行うのは、一般家庭のほか、学校、コンサート会場、ピアノの販売店、メーカーのメンテナンス部門、ピアノの修理工場など様々です。


ピアノ調律師の仕事内容


ピアノは、鍵盤と連動したハンマーが弦をたたくことで音が発生する楽器です。
調律師が行うピアノ調律はおもに3つあります。

1.音程のズレを調節する『調律』(チューニング)
2.鍵盤のタッチを調整する『整調』
3.音色を整える『整音』

があります。
それぞれの仕事内容を紹介します。


1.調律(チューニング)
調律というのは、ピアノの88個ある鍵盤すべてに対して、正しいピッチ(振動数)で音合わせをする作業のことです。
ピアノは88個の鍵盤それぞれに1~3本の弦が張られ、弦の総数は200本以上あります。
「調律」では、鍵盤と連動した1~3本の弦の張力を加減しながら、音の高さを正確な音律に合わせて調節していきます。
ほんのわずかな張力の加減でも、音は変わってしまうので、音の違いを聴き分けながら慎重に弦を調整します。

2.整調
「整調」というのは、ピアノの鍵盤のタッチを整え、弾きやすい状態にすることです。
鍵盤を押して音が出ないものや、鍵盤が重く感じるもの、また速く軽快な動きができないなどの不具合を解消して、弾きやすいタッチにします。
鍵盤の上下運動を導くピンの表面を磨いて鍵盤の動きを円滑にしたり、全鍵盤の沈む深さを演奏者が最も弾きやすいとされる 10mmほどにそろえたりします。


3.整音
「整音」の作業は、音量、音色を均一にそろえ、ピアニシモ(とても弱い音)からフォルテシモ(とても強い音)まで、演奏者のコントロールにこたえられるようにします。
整音を行うことで、演奏者は表現力を最大限に発揮できるようになります。
この作業はおもに鍵盤に連動しているハンマーを調整します。
ハンマーのフェルト面に針を刺して弾力性を均一にしたり、ハンマーのフェルト面にペーパーをかけて形を整えたりして、ハンマー本来の性能を回復させます。


このほかにもコンサートなどでは、演奏者の好みの音にするという高度な仕事もあります。
これは演奏者の好みや、演奏会で弾く楽曲に合わせて、明るい音、華やかな音、柔らかな音など、演奏者の求める音に調整する、まさにプロフェッショナルの仕事です。

ピアノ調律師はどんな働き方をするの?

ピアノ調律師は企業で経験を積んだのち、フリーランスも


ピアノ調律師の就職先は、ピアノメーカーや、ピアノの販売会社、ピアノの修理工場、ピアノ調律専門会社などです。

これらの就職先で経験を積んだのち、フリーランスで「嘱託(しょくたく)ピアノ調律師」として働く人もいます。
(「嘱託」というのは頼んで任されるという意味です。)
ピアノ調律師の主な仕事場は、ピアノのあるコンサートホールやライブ会場、
学校、一般家庭などです。
海外の調律会社に就職し、世界の一流ピアニストのコンサートチューナーとして活躍する人もいます。


ピアノ調律師のやりがい


調律のさまざまな技術を使い、そのピアノ本来の持つ魅力を最大限に引き出せることがピアノ調律師の喜びです。

また演奏者がピアノの音に満足する時や、コンサートで観客がピアノの音色に感動している時、ピアノ調律師は密かに誇りに思っています。
ピアニストのように演奏によって人に感動を与える華やかなポジションではないですが、舞台裏で演奏家を支え、観客にピアノの音色を楽しんでもらえることが最高のやりがいです。

ピアノ調律師はどんな人に向いているの?

技術を磨くために日々コツコツと努力できる人に向く


ピアノや音楽が好きなことは大切な条件です。
ピアノ調律師は、技術の差がはっきりと音に出る仕事なので技術を磨くために日々コツコツと努力できる人が向いているでしょう。

また様々な工具を使うので体力や握力が必要な一方、
細かな作業ができる手先の器用さも大切です。
また聴力が優れている人も、ピアノの音のずれや狂いがわかりやすいので向いています。
さらに片手を広げて1オクターブ以上の鍵盤を同時に押さえられることも必要です。

ピアノ調律師の将来展望は?

ピアノ調律師の将来展望 ピアノ販売台数は長期的に減少傾向


少子化の影響や、習い事が多様化したことにより、日本の一般家庭でのピアノ販売台数は長期的に減少傾向にあります。
将来的にも突然ピアノブームが起こらない限り、この傾向は続いていくでしょう。
ただし全くピアノを買う人がいなくなることは考えられないので、国内のニーズは減少していくとはいえ、将来的にピアノ調律師の活躍の場もなくならないでしょう。
確かな技術と語学力を身につけて、海外の調律会社に就職する選択肢も考えてみてもよいでしょう。

ピアノ調律師にはこうすればなれる!

「ピアノ調律技能士」という国家資格があるが・・・


ピアノ調律師には「ピアノ調律技能士」という国家資格があり、受検資格(実務経験等)が定められています。
なお、この資格がなくても調律の仕事に就くことは可能です。
ピアノ調律師になるという進路が既に明確で、演奏家をめざすのでなければ、高校を卒業後、ピアノ調律師をめざすコースを設けている音楽大学や専門学校、ピアノメーカーの調律師養成スクールで学んで、就職活動をするのが一般ルートです。
そのような専門学校では調律の仕事にすぐに役立つ理論と技術が学べます。
就職先を学校から紹介してもらいやすいのもメリットです。
ほかにも専門学校や大学を経ずに大きなメンテナンス部門のあるピアノ修理工場などに就職して、基礎から仕事を教わり、5~6年間ぐらいで一人前になる道もあります。


ピアノ調律師の国家資格


ピアノ調律技能士とは、一般社団法人日本ピアノ調律師協会(指定試験機関)が実施する「ピアノ調律技能検定」(技能検定)に合格した人が称することのできる資格です。
試験は音叉やチューナーなどを使用して音程を合わせるので「絶対音感」は必要ではありません。

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