DRONE FUND 千葉功太郎

未来からの逆算思考でドローンが
「当たり前」の社会をつくる
DRONE FUND 千葉功太郎

PROFILE

ドローン・エアモビリティ関連のスタートアップを対象とするベンチャーキャピタル「DRONE FUND(ドローンファンド)」を立ち上げる。起業家を支援するコミュニティー「千葉道場」主宰、慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス特別招聘教授。

20年後の輸送や交通の姿は
どうなっていると思いますか?

無数のドローンが
産業や生活を支えている!

身の回りには小型のドローンがふわふわ浮いていて、わたしたちの頭上を、ドローンやエアモビリティ(空飛ぶクルマ)が無数に飛び交う。2040年には、そんな「空の産業革命」がすでに果たされていると思います。

地上を走る車やバスも、もちろん使われているでしょう。でも都市部の道路はすでにぎゅうぎゅうですよね。だから郵便や宅配便は、空も使って運ばれます。人の移動手段としても、「空のバス」「空のタクシー」といったサービスが根付いているはずです。

配送や移動だけでなく、身の回りの生活をサポートする道具としてもドローンは身近になっていくでしょう。2040年の保護者の方は、子どもの忘れ物をドローンで届け、登下校をドローンに見守らせているはず。家や会社の中でもアシスタントのような存在になっていて、「○○を取って」と言えばドローンが持ってくるんじゃないかな。

20年後は、こうした生活が完全に「当たり前」になった段階です。お金持ちとか一部の地域だけでなく、ほとんどの日本人が「空」を使う社会になっている。実は日本はドローン先進国で、2022年までにドローンの都市部での目視外飛行(レベル4運行)、2023年までにエアモビリティの事業化を開始するという政策目標を、内閣が明確にうち出しています。ドローンでモノや人を運ぶ時代のスタートは、もう目の前なんです。

千葉さんはどんな中学生でしたか?

距離や時間を行き来する科学少年

宇宙へのあこがれがすごく強かったですね。部活は当然、天文部。あの星から地球はどう見えるのか。広い宇宙の中で自分はどこにいるのか。視点をどこに置くかで、距離や時間の縮尺が大きく変わるところが、宇宙のおもしろさの一つです。

例えば夜空にアンドロメダ銀河を見つけたとき、中1のぼくの頭の中はこんなでした。

――アンドロメダ銀河までの距離は約250万光年。今この場では大きく感じられる日本や地球も、アンドロメダ銀河から見たら人間の目には見えないほど小さいな。もし宇宙人の目でこっちが見えたとしたら、…250万年前の地球か。ぼくらはまだ猿だ。宇宙全体から俯瞰(ふかん)したら、アンドロメダ銀河もぼくらのいる銀河系もすぐ近くなのに。

宇宙にのめり込むうちに、具体的な数字を思い浮かべながら距離や時間を行き来する習慣が、いつの間にか身についていました。

なぜドローンに注目したのでしょう?

地上は混み合っているのに、
空中はガラ空きだと気づいた

2015年に友人から機体をもらい、趣味として操縦や撮影を楽しんでいました。仕事にしようと考えたのは2017年半ば。地面すれすれから、また、はるか上空から、いろんな縮尺の写真や映像を撮るうちに、気づきました。宇宙には行きたいけれどまだ行けない。地上はビルも車もびっしり。だけど、それらの間にある空中はガラ空きじゃないか。

この空間を輸送や交通に使えれば、今から20年で世の中は大きく変わる。そう考えて、ドローンの開発、ドローンを使ったサービスをしている企業に投資する、DRONE FUND(ドローンファンド)を立ち上げました。

1年後も見えづらい時代に、20年先、しかも当時は実現するかどうかもわからなかったドローン社会を前提にしてお金をつぎ込むのは、一般的に考えればとてもリスキーです。でも日頃から250万年前の光を身近に感じているぼくにとっては、だいぶ縮尺を小さくした、かなり近い未来に視点を寄せた末の考えなんです。

20年後の未来、
必要なのはどんな力でしょう?

具体的な目標を立てる力と、逆算思考

わたしたちは投資先の企業や国とともに、20年後に向けて、みんなが空のサービスを当たり前のように使う社会をめざしています。そのために行っているのは、5年後、10年後、15年後、どこまでできていれば実現するのか、詳細なプランを立てること。ぼくは「逆算思考」と呼んでいるんですが、未来を徹底的に想像し、そこから逆算して初めて、その未来を本当に実現できるんです。

フワッとした夢物語の20年後ではなく、解像度がめちゃくちゃ高い20年後を想像してほしいんです。社会はどうなっていて、自分はそこでどんなふうに生きているのか。そこから逆算すると、これからの5年間をどう生き抜けば社会の変化についていけて、目標を実現できるのか。

「逆算思考」はお子さまの勉強にも進路の検討にも使えますが、大切なのは保護者の方ご自身が実践すること。できる限り具体的に、真剣に。投資家だから言うわけではないですが、具体性を伴わせるには、年収や貯金など、お金の話は絶対に入れるべきです。

年収はいくらくらいで、どんな家に住み、どのように社会とかかわりあっているのか。何をクリアすればそれが実現するのか。保護者の方が目標をもって、それを実現しようと努力しているから、子どもにも「やってみようよ」と言えるんですよね。

DRONE FUND Webサイト

Special Interview 『未来への鍵』

未来を予測しにくい時代だからこそ、これからの進路を幅広く考えることも大切です。20年後、今の中学生が大人になったときともに社会で活躍しているであろう挑戦者たちに、未来を生き抜くヒントを教えてもらいました。

『未来への鍵』 連載記事の一覧はこちら

取材・文 / 児山雄介(オンソノ)
写真提供(1枚目・6枚目) / DRONE FUND
編集 / 横田真里子

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