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【北海道】2021年度公立高校入試で出題範囲削減 影響と対策は?
休校措置に伴う受験生への配慮として、北海道教育委員会より、2021年度(令和3年度)入試の学力検査において、出題範囲の削減が発表されました。
この変更により、受験生にどんな影響があるのか、どのような対策をすればいいのかについて、解説します。

【配慮内容】中3で学習する内容の一部が出題範囲から除外に
北海道教育委員会は、学力検査の出題範囲から一部の内容を除外すると発表しました。 具体的な除外される出題範囲は以下の通りです。
教科 | 除外される内容 |
---|---|
国語 | 中学3年生の教科書で学習する漢字 |
数学 | 中学3年生で学習する内容のうち、次の内容 ・相似な図形 ・円周角の定理 ・三平方の定理 ・標本調査 |
社会 | 公民的分野のうち、次の内容 ・私たちと経済 ・私たちと国際社会の諸課題 |
理科 | 各分野のうち、次の内容 【第1分野】 ・『運動とエネルギー』の「力学的エネルギー」 ・科学技術と人間 【第2分野】 ・地球と宇宙 ・自然と人間 |
英語 | 関係代名詞のうち、主格の that、which、who 及び目的格の that、whichの制限的用法 ※同様の働きをもつ接触節(SVによる後置修飾)も出題しない。 |
【影響】受験生にとって特に影響が大きいのは数学と英語
すべての教科に除外される内容がありますが、出題内容に影響が出てくるのはおもに数学と英語です。
数学
除外される内容のうち、標本調査はもともと入試で出題されても小問なので、受験生への影響は限定的です。一方、相似な図形、円周角の定理、三平方の定理のほうは、図形分野の出題には影響があるものと思われます。ただし、図形分野は中1で学習する平面図形・空間図形から、中2で学習する合同と証明や三角形・四角形などと幅が広いため、これらの学習内容が除外されたとしても、さまざまな内容の出題が考えられます。
英語
関係代名詞が除外されます。読解問題の素材となる長文においても除外内容が使えなくなるため、一文の長さが短くなることが予想されます。ただし、出題方針が変更になるわけではないので、リスニングや長文読解問題などの出題に大きな変化はないと思われます。
国語
漢字の一部が除外されますが、さまざまな文章の読解・記述などは例年通りの出題と思われます。
社会・理科
社会・理科は中1~中3で学習するさまざまな内容から出題されています。除外されるのは一部の内容なので、数学・英語に比べるとそれほど大きな影響はないと思われます。
【対策】過去問に取り組むときの注意点は?
各教科ごとに注意点を解説しています。確認して、過去問に取り組みましょう。
〇国語
すべての問題を演習してください。
〇数学
併願で受験する私立高校では出題される可能性があるため、除外される学習内容まで学習した上ですべての問題に取り組むのが望ましいですが、時間がない場合には削除される内容の問題を後回しにしても構いません。
〇英語
長文中の関係代名詞などは避けることは難しいです。過去問ではすべての問題に取り組んでください。
○社会・理科
社会・理科で除外されることが明らかな内容であれば、演習の優先順位を下げても構いません。
ただし、入試問題は複数単元にまたがって出題している問題も多く、判断に迷うこともあると思います。厳密にやりすぎると学習の効率が下がる場合もあり、全問解いてしまったほうが早い場合もあります。
入試の出題範囲から除外されても、学習指導要領で定められている内容は中学校で学習することに変わりはありません。授業で学習した場合は定期テストで出題される可能性もあるので注意が必要です。また、私立高校では例年通り出題される可能性もあります。
数学の相似な図形や円周角の定理、三平方の定理や英語の関係代名詞をはじめ、出題範囲から除外される内容は、今後の学習に大きく影響する大切な内容です。高校入学前にしっかりと身につけておく必要があります。