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高校入試で求められる「思考力・判断力・表現力」の伸ばし方

近年の高校入試では、一部の都道府県や高校で、より高い「思考力・判断力・表現力」を問う出題が出てきていることをご存じでしょうか?合否を分けることもあるこうした問題には、日常生活の中でのちょっとした心がけで対応できるようになります。「思考力・判断力・表現力」を問う出題の背景と、その力を伸ばすための対策について解説します。

高校入試で求められる「思考力・判断力・表現力」の伸ばし方

なぜ「思考力・判断力・表現力」が求められるの?

これからの社会では、予測不能な未来を生き抜くために、「正解が一つだけ」とは限らない問題に対して、自分が持っている「知識・技能」をいかに「活用」できるかが大事になってきます。そのような力を身に付けるために、「思考力・判断力・表現力」が求められる出題が多くなってきているのです。

学校の授業も、「知識・技能」の「活用」を重視したり、生徒に発表させる機会を増やして表現力アップを促したり、というように変わってきていますが、新学習指導要領の移行措置を受けて、そのような授業はさらに増えていくと思われます。

教科の授業において心がけている授業方法

高校入試で出題される「思考力・判断力・表現力」を問う問題とは?

高校入試では、「思考力・表現力・判断力」を問う問題はこれまでも出題されていますが、今後もより多く出題されていくでしょう。

パッと見ただけではどの分野の知識・技能を使うべきなのかわからないような問題や、「知識・技能」を理解した上で、それらを「活用」しないと解けない問題が、「思考力・判断力・表現力」を必要とする問題です。

たとえば数学では、「2つの三角形が相似であることを証明しなさい」という出題はよくありますが、2018年度の東京都立青山高校の数学の入試問題では、「6つの三角形・・・(中略)から、相似な三角形を1組選び、相似であることを証明せよ」という出題でした。

2018年度東京都立青山高校の数学の入試問題

この問題では、知識がないと相似である三角形を見つけることはできませんし、知識と技能を活用しないとそれを証明することもできません。

※上記問題の相似な三角形の例:△OABと△HAO(もしくは△ODCと△HDO)(証明の解答例は省略)

また、他の都道府県の入試問題でも、正しい組み合わせを選ぶ問題や、該当するものをすべて選んで順番に並べ3番目になるものを選ぶ問題、選択肢の数が非常に多い中から選ぶ問題など、複雑化しています。

保護者の方が今からできる3つのサポート

家庭での会話や習慣を工夫すれば、お子さまが高校入試で求められる力を身に付けられるよう、保護者の方がサポートすることができます。

学習スタイルの確立を促す

新傾向の問題を解くには、問題文や資料から必要な情報を読み取り、条件に沿って考える力が必要です。そのベースは、各教科の基礎知識。しっかり理解するために、学習習慣が身に付くように促しましょう。

「理由」にこだわってみる

日常の場面で、「なんとなく」選んだり行動したりすることは多いものです。でも、一歩踏み込んで「どうしてこっちがいいの?」と聞いたり、保護者の方自身が理由を説明したりすることで、お子さまが考えを深めるきっかけをつくってみましょう。

ニュースについて意見を交換する

入試で求められる表現力の第一歩は、自分の意見を他人に伝えることから始まります。テレビや新聞でニュースなどを見ている時に、社会問題に対する意見をお子さまと話し合ってみましょう。

「思考力・判断力・表現力」は中学生活全般を通して鍛えることができる

「思考力・判断力・表現力」はあらゆる場面で日常的に使っている力ですから、勉強に限らず中学生活全般を通して鍛えることができます。

「部活動で次の試合に勝つためには、どのような練習法を取り入れればいいだろう?」
「クラスのみんなにもっと協力してもらうにはどうすればいいだろう?」と問いを立てて考える習慣からまず始めてみましょう。

保護者は、子どもが失敗しないように先回りしてしまいがちですが、答えを示して誘導するのではなく、「思考力・判断力・表現力」を身に付けられるよう、工夫しながらサポートしていきましょう。

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高校入試情報担当

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